大学発商品の筆頭といっていいぐらい、日本酒は多くの大学でつくられています。そのため、日本酒をつくる、という取り組みだとそこまで目を引かないのですが、今回はさらに一歩踏み込んで(?)日本酒を学問しようする大学があらわれました。こういう地域とのつながり方って、けっこうアリです。
以下、朝日新聞デジタルより。
「日本酒学」新潟大が創設へ 「たしなみ方」も講義
新潟大学が「日本酒学」の創設に乗り出した。醸造や発酵を学ぶ学科はあるが、日本酒そのものを学問の対象にする試みは全国初という。日本酒離れが進む中、文化やビジネスなど幅広い視点で日本酒に精通した人材を育て、再興を期す。(後略)
大学の地域貢献は、企業×教員であったり、地域イベント×学生であったり、包括協定を結んでいても、わりかし点と点でつながることが多いように思います。そんななか、今回の新潟大学のように地域の特産品を学問するという地域とのつながり方は、点ではなく面として地域とつながることができるので魅力的です。
また、地域の特産品をテーマに研究する場合、大学のまわりに特産品と関連する企業がたくさんあり、文化も根づいているわけです。研究するのにふさわしい環境があって、必然性もある。そうなると広報で取り上げやすく、大学にとっても地域にとっても絶好のピーアール素材になるように思います。
これはいい取り組みだと思い、他にないか探してみたところ、ありました。一つは山梨大学にあるワイン科学研究センター。もう一つは鹿児島大学にある焼酎・発酵教育センターです。両大学とも、それぞれの産地として名高いエリアにある国立大学です。
これら大学の研究センターは、研究だけでなく、教育にも力を入れているようです。山梨大学だと「ワイン科学特別コース」という、修士課程まである6年制のコースを設置。鹿児島大学には「焼酎学コース」という学部生向けのコースと、「焼酎マイスター養成コース」という社会人、業界人向けのコースが用意されていました。特産品に強い人材を育てることが、こういった研究所の大きな使命だということが、ひしひしと伝わってきます。
特産品を学問する。こういったアプローチは、大学だからこそできることです。そして、それによってもたらされるメリットは、大学にも、地域にも、多大にあるはずです。とりあえず、ビール、泡盛、ウィスキーあたりを本気で学問している大学はまだなさそうなので、それぞれの産地にある大学にはぜひチャレンジしてもらいたいですね。酒好きの一人として、勝手ながら熱望しております。
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