大学がもつアカデミックさは、一般の人にとって興味よりも苦手意識や敷居の高さを感じさせることの方が多いように思います。しかし、うまくコーディネートすることで、このアカデミックさは、観光施設や名所にはない大学ならではの魅力として打ち出すことだってできるはずです。帝京大学が、このたび募集をはじめた一般の人も参加できる体験ツアーは、そんな大学のアカデミックさを上手くレジャーに結びつけた取り組みのように感じました。
以下、大学プレスセンターより。
帝京大学が「アメリカ航空宇宙体験ツアー」の募集を開始 -- 12月28日締め切り
帝京大学宇都宮キャンパスはこのたび、2017年2月23日(木)~3月2日(木)の日程で行われる「アメリカ航空宇宙体験ツアー」の募集を開始した。これは、航空産業の先進国であるアメリカで現地の最先端の航空宇宙分野の技術や施設に触れることができるツアーで、隔年で実施しているもの。理工学部航空宇宙工学科の教員が同行し、NASAケネディスペースセンターや航空宇宙博物館などを訪問する。申込期限は12月28日(水)まで。学生だけではなく、一般の人も参加可。(後略)
今回、募集をしているツアーは、名鉄観光サービスによる募集型企画旅行とのこと。宇宙工学科の先生や学生と一緒に、NASAの施設やボーイング社の工場、さらにディズニーワールドなどに行くようです。
2007〜8年ごろに、シニアサマーカレッジという、JTBと国立大学が連携して、大学のあるエリアに1週間ないし2週間滞在して、そのエリアの自然や伝統、産業などを学ぶ交流型・滞在型の生涯学習プログラムがありました。大学の知的リソースとレジャー(旅行)を結びつけるという意味では、帝京大の取り組みは、このシニアサマーカレッジに通じるところがあるように思います。
旅行という老若男女すべてに好まれるレジャーのフォーマットに、大学の学びを落とし込むことで、急に敷居が低く感じられます。それに目新しいようでいて、実は私たちの多くは修学旅行という“学び+旅行”をすでに体験してきているわけで、そういう意味ではすんなりと受け入れられる土壌があるように思います。
大学プロデュースの“おとなのための修学旅行”。こう書くと字面だけで、すでに少しワクワクしてきませんか? おそらくこの旅行は、個人旅行でも、パック旅行でも味わうことのできない体験や発見がたくさんあるはずです。ぜひ大学の“知”の発信方法の一つとして、これが広まっていくといいなと思います。
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