ボリュームや内容は大学によって変わりますが、おおよそすべての大学には広報誌があります。ほとゼロでも「広報誌レビュー」という連載企画があって定期的に取り上げているのですが、十人十色というか大学ごとに個性があり、読むとけっこうおもしろいんです。でも、中身だけでなく、なかには配布方法がユニークな広報誌もあるようです。
以下、大学プレスリリースより。
大学と地域をつなぐ広報紙「いわきとともに新聞」を発行 -- 東日本国際大学
東日本国際大学・いわき短期大学の地域交流センターでは、大学と地域の関わりや、学生達は今どんなことを考えているのかを広く知らせる目的で、広報紙「いわきとともに新聞」を発行。1月29日、地方紙への折込という形で、いわき市内に配布された。(後略)
この「いわきとともに新聞」は、地域をターゲットに生まれた広報誌のようなのですが、興味深いのはその配布方法です。なんと地域紙に折込して、いわき市内に配布をしています。
一般的な大学の広報誌は、学内のラックに設置したり、卒業生に発送したり、あくまで手に取れるのは大学と関係がある人たちが中心です。ウェブ上で公開しているところもよくありますが、よほど話題にならない限り、大学のHPにきて広報誌を読むのは、大学と係わり合いがある人だけでしょう。
そういったなか、今回の広報紙は、地域紙に折込ことで、大学とは縁もゆかりもない人のところにもしっかりとリーチさせています。広報誌に興味がある人なら先に書いたウェブ上のものでも読みにくるし、大学関係者にならウェブで読めることを周知させるのもそこまで難しくはありません。だとすれば、予算をかけるのは、今回のように無関係な人に対してではないでしょうか。
さらにいうと、配布方法とターゲットとは密接な関係があり、ターゲットと誌面内容もしかりです。配布方法がユニークになれば、それに引っ張られて誌面内容もユニークになってくるはずです。今回の「いわきとともに新聞」の場合、実物は見ていないのですが、記事を読む限りだと地域をかなり強く意識した紙面になっているようです。
もしオシャレなショッピングモールで配るのであれば、新幹線のグリーンシートのラックに置くのであれば、外国人向けゲストハウスで撒くのであれば、同じ大学がつくる広報誌であっても内容もデザインも大きく変わるはずです。
広く社会に自校の取り組みを伝えたいという漫然とした目的だと、内容も漫然となり、結局だれのこころにも刺さりません。かといってターゲットを絞るといっても、具体的にそのターゲットに届く状況をつくっておかないと、読者からのフィードバックがもらえず、独りよがりのものになりがちです。なら、最初に配布方法を考えて、そこから広報誌を組み立てていくというのは、突拍子ないけど意外に理にかなっているのかもしれません。
大学の社会向け広報(誌)は、私にとって一番興味のあるテーマなので、興味のある大学さまがいらっしゃいましたら、ぜひぜひお声がけください!
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