「学生時代は失敗してもいいから何でもチャレンジしなさい」。時おり聞くこの手のフレーズは、おじさん世代の小言のようにも聞こえますが、でもたぶん一つの真理でやっておくにこしたことはありません。
学生時代のチャレンジといえば、勉強や研究はもちろんのこと、海外留学にクラブ活動、ボランティア、アルバイトなどなど、かなりバリエーションがあります。千葉商科大学が支援する「学生ベンチャー」もそのうちの一つ。しかし、この千葉商科大の取り組みでは、学生にとってかなり刺激的な“チャレンジ”になりそうです。
学生ベンチャー食堂、「給食風」で出店 千葉商大
千葉商科大学(市川市)のキャンパスに、在学生が経営する新たな学生ベンチャー食堂「給食係」が4月7日オープンする。学内の公募で選ばれ、出店が決まった。健康的で栄養バランスのとれた学校給食風の定食を日替わりで提供する。(後略)
記事によると、千葉商科大の取り組みは学生食堂の空きスペースを提供して、学生ベンチャーを支援するというもの。これまで学外に2号店を出店した卒業生もいるらしく、かなり本格的な取り組みのようです。
この取り組みでとくに目を引いたのは、大学側が提供するのはあくまでスペースのみで、他はすべて学生側が負担するという点です。記事の後半部分(すみません、朝日新聞に登録しないと読めません…)に、今回、この学生ベンチャーに挑戦する学生が開業資金として220万円を親に借りたと書いてあります。
学生ベンチャーのために高額を負担した学生(と保護者)はかなりの決断だったはずです。でも、それ以上にこの取り組みをはじめた大学側がすごいと感じました。
というのも、大学の外で行われる学生ベンチャーなら、うまくいかなくても大学に被害がおよぶことはほとんどありません。しかし、舞台がキャンパス内の学生食堂なうえ、学生がかなりの額を出資していることを考えると、もし万が一、経営につまずいた場合、もめる可能性が高いように思えます。こういったリスクがあるにも関わらず、学生のために場所(そしてチャンス)を提供しているというのは素晴らしいですね。
また、海外留学も、クラブも、ボランティアも、チャレンジすることで人生の大きな財産になりますが、これらには大きなリスクがありません。もちろんそれはいいことなのですが、リスクがあるからこそ真剣に学べたり、身につくことがあるのも事実だし、失敗してリスクを負うことで得られることもたくさんあるように思います。
今回の学生ベンチャーは、学生であっても大きなリスクを伴うタイプのチャレンジです。とはいえ必要な金額は、1年間ほど欧米に海外留学するのとそこまで大きくは変わらないように思えます。留学とはベクトルが違うものの学ぶことは同じか、それ以上にあるはずなので、学生時代にあえてリスクを経験してみるのはいいことなのかもしれませんね。だって「学生時代は失敗してもいい」わけですから。
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