2015/08/15

授業では学べない“営業”を学べるウェブサイト


少し気が早いですが、夏が過ぎれば秋。秋といえば、そう大学祭のシーズンです。大学祭というと、学生とキャンパス近隣の住民が足を運ぶ、地元のお祭り的なイメージを持っている人がいるかもしれません。でも実は、人気があるものだと、数万から数十万の来場者を見込めるものもあったります。

この大学発の一大イベントを有効活用できるように、電通がユーキャンパスという大学関連のマーケティング会社とともにユニークなウェブサイトを立ち上げたようです。

学園祭のマッチングをはかるサイト「学園祭まとめ2015」

サイトの名前は「学園祭まとめ2015」。けっこう素っ気ない名前のサイトではありますが、内容はかなりチャレンジングで、協賛が欲しい大学側と、大学祭で告知等を行いたい企業の円滑なマッチングをはかるサイトです。

ちなみにこのサイトは「Circle app」という、全国のサークルを応援するアプリから派生した取り組みのようです。この「Circle app」も、なかなか面白そうですが、そこらへんを書き出すと内容がとっちらかるので今回はやめておきます。

で、「学園祭まとめ2015」に話をもどします。このサイトはコンセプトもさることながら、サイトで紹介されている協賛営業のHow toページにとくに興味を感じました。このページには、協賛とは何か、企画書の書き方、営業方法と、三つのステップにわけて協賛営業についてまとめられています。書いている内容が非常にわかりやすく、またかなりガチなため、私自身これを読んで今更ながらけっこう勉強になりました。

今、大学では、実社会で実践的な知識やスキルを学ぶことが、大きなテーマになっています。そして、このHow toページでも取り上げられている“営業”といえば、文系の大半の人たちが多かれ少なかれ社会で携わる、かなりベーシックな業務になります。なのに、実は大学の授業で“営業”について実践的に学べる機会ってほとんどないんですね。

なぜかというと、実社会(企業や自治体)と提携して行われる授業というのは、すでに授業が開始される段階で提携が成立している。つまり、提携先をつかまえるという営業行為は必要ないわけです。当然ですよね。そうしとかないと、授業が成り立たないわけですから。また、授業とは少し違いますが、実社会を知る機会としてインターンシップがあります。でも、営業を主体とする企業にインターンシップしたとしても、知識も技術も権限もない学生が実際に営業を行うことはさすがにないように思います。

こういった状況を考えると、学生でありながら当事者として“営業”に携わることができる、このサイトの取り組みはキャリア教育的な側面から見て、かなり貴重なのではないでしょうか。

さらに私個人としては、専攻している分野の学びと、実社会がどのように関わっているのかが体感できてこそ、大学が授業としてやる意味があると思っているので、“営業”を単純に学ぶ授業というのは必要ないと思っています。でも、社会に出る前に知っておいて損のない知識や技術であることは間違いありません。だから、授業以外で学べ、なおかつ学生たちに金銭面でのメリットもある今回のサイトのやり方は、非常にうまいなぁと感心しました。さすが電通やりおるなぁ。


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