■大学という恵まれた場所を使う
大学が運営するサイエンスカフェの一つ目の特徴は、開催する場所を学内で確保できることです。そのため、開催場所を毎回探す必要がなく、空調やメディア機器、収容人数など、比較的条件が整った場所で開催することができます。場所の確保は、市民団体やNPOなど、施設を持たないところでは大きな課題であり、カフェによっては開催場所が頻繁に変わることもあるので、これは大学で開催する大きなメリットだと言えます。
それに、サイエンスカフェは程度の差こそあれ、どこもリピーターが多く、これらリピーターが講師との会話や質疑応答で先陣を切ってくれることで、会話が活性化する傾向にあります。そういう意味では、毎回、同じ場所で開催されるというのは、リピーターができやすい環境だといえるし、議論が活性化しやすいと言えるかもしれません。
■講師は基本的に大学教員
次に、講師がほとんど学内の教員、というのも大学ならではの特徴です。これは一長一短あって、良い点は、大学教員という身分も知識レベルも保証され、かつ教えることにも慣れた人たちが講師を毎回つとめてくれること。悪い点は、どうしても“学内”という縛りができることで、人選の多様性が損なわれることです。
とはいえ大学には、かなりいろいろな先生がいますし、大学以外が運営するものでも大学教授が講師をすることがよくあります。なので、一長一短と書いたものの、明確なメリット、デメリットとは言えないかもしれません。
そして最後に、これはあくまで副次的なものですが、大学のサイエンスカフェではよく会場で、大学の地域向けイベントの告知がされます。サイエンスカフェに興味がある人は、知的好奇心が高い人たちだと予想できるので、さまざまな学術イベントの情報収集ができるのは、けっこううれしいことなのではないでしょうか。
■でも、結局のところ……
いろいろと特徴を並べましたが、実際のところ大学だから、NPOだから、ということで生まれる違いよりも、各運営団体の方針や考え方による違いの方がはるかにサイエンスカフェの性格を決定づける要素として大きいです。
結局は個別で見ないとわからないのですが、大学のサイエンスカフェの全体的な傾向としては確かにあるので、ぜひ参考にしてください。……うーん、なんか怒られそうなオチですね、スミマセン。
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