2015/03/01

学生らしい発想、の裏側にある魅力(山形大)


大学発商品ネタが続きますが、今回も学生たちがつくった商品の話です。

よく学生がつくる商品やビジネスプランに「学生ならではの柔軟な感性が~」という謳い文句がつくことがあります。でも、その大半は、そこまで尖っているわけでもなく、常識の範囲内です。そんななか山形大学農学部が生み出した商品は、なかなかちょっと思いもつかないアイデアを感じさせます。

以下、河北新報より。


庄内米でコンフィチュール 山大生開発 
山形大農学部4年の郡直之さん(22)と古田祐里さん(25)が、庄内米と麹(こうじ)を使ったジャム「お米のコンフィチュール」を開発、商品化した。野菜に付けて食べるのがお勧めという。(後略)


コンフィチュールとは、フランス語のジャムのこと。つまり、これはお米のジャム?しかも野菜につけるのがおすすめ??さらに原材料がお米と米麹と塩とアーモンド???……と、記事を読み進めれば進めるほど、いくつも?が並んでしまうかなり新感覚の商品です。

正攻法で商品を考えると、炭水化物on炭水化物の発想はなかなか出てこないもので、これは本当に柔軟だなぁと感心します。業界内の常識と比べて発想が斬新というだけでなく、一般的な感覚から見てもわかりやすく斬新というのがいいです。

以前、奈良女子大学の学生たちが開発した「奈良漬アイス」というものを食べたことがありますが、あれもかなり斬新でした。アイスなのに奈良漬の塩味が効いていて、奈良漬の食感も残っている。美味しいんですが、かなり不思議なお味。きっと今回のコンフィチュールも、同様にちょっと想像がつかない不思議で素敵なお味がするんでしょう。

お米のコンフィチュールしかり、奈良漬アイスしかり、アイデアが突飛だと、セオリー通りにつくるだけでは、なかなか商品としてまとまらないように思います。事実、リンク先の記事には「昨年1月から開発に取り組み〜」とサラッと書かれていて、これってつまり開発に1年以上かかっているってことですよね。

新聞やテレビで取り上げられる場合、紙面のスペースや尺の問題で、そこまで詳しく紹介することはできません。でも、商品そのものの魅力と一緒に、こういった商品開発の裏側を伝えられたら、より多くの人が商品に興味を持ってもらえるのになぁと思います。実際、いま話題の近大マグロは、この開発秘話をうまく発信できたからこそ爆発的に話題になったといっても過言ではありません。

ちなみに奈良漬アイスを開発したのは、奈良女子大の「奈良漬プロジェクト」ですが、このプロジェクトを引き継いだ「奈良の食プロジェクト」のウェブサイトに、奈良漬プロジェクトを紹介するページがあったのでご紹介しておきます。これを読むと、断片的ではあるものの完成までのストーリーを感じることができ、奈良漬アイスを食べたくなりますよ。

■奈良の食プロジェクト「奈良漬プロジェクト」紹介ページ

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