社会人教育は、少子化に歯止めがきかなくなっている現在、大学にとって真剣に考えなくてはいけない重要なテーマの一つです。とはいえ、時間に余裕があるシニア層の一部は熱心に学んでいるものの、余裕のない働き世代は、なかなか大学に足が向いていないのが実際のところではないでしょうか。
こういった状況を打開する手立てとして、文科省が取り組んでいるものの一つに「職業実践力育成プログラム(BP)」があります。昨年12月末に、2018年度 BP(2019年実施)が決まったので、今回はこちらについて取り上げていきます。
以下、リセマムより。
職業実践力育成プログラム、阪大や早大など32課程を認定
文部科学省は2018年12月20日、平成30年度(2018年度)「職業実践力育成プログラム」(BP)として、東北大学や大阪大学、早稲田大学などの32課程を認定した。大学などで社会人の学び直しを推進する。(後略)
そもそも「職業実践力育成プログラム(BP)」とは何か、まず説明しておきましょう。公的な説明はこちらを見ていただくとして、とても平たく言ってしまえば、特定の分野で専門的に働くために必要なスキル・知識を体系的に、(ある程度)短期間で学ぶ大学の教育プログラムです。ちなみにBPは「教育訓練給付制度」が適用されるので、条件さえ合えば経費の20%を国から支払ってもらえます。
では、どのようなプログラムが実施されているかというと、これはこちらをご覧ください。見ていただくとわかるのですが、「大学変革リーダー育成プログラム(東北大学)」とか、「放射線災害専門スタッフ養成プログラム(筑波大学)」とか、どれもこれもかなりピンポイントな内容です。
社会人は誰であれ、自由な時間が少なく、趣味として本当に知りたい知識か、仕事で明らかに必要な知識しか、学びたいと思わないのが実情なように思います。BPは、この後者に振り切った大学&文科省による一つの答えともいえるプログラムです。
しかし、予算的なものもあってでしょうか、どの大学もそこまで積極的には広報をしていないんですね。各BPの受入人数がそこまで多くないというのも理由なように思います。
でも、BPの広報は“受講生を集める”という意味合いだけでなく、“大学が社会人向けにここまでマニアックで実践的な教育をしている(できる)”ということを、社会に広く知ってもらう効果的なPR活動にもなるように思います。だから、社会人教育を社会に啓蒙するという役割も踏まえ、ぜひもっと積極的に広報してもらいたいなと、ものすごく勝手ながら、私は思うのです。
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