大学のウェブサイトというと、受験生やその保護者でもなければ、あまり見る機会がないように思います。さらに言うと、受験生でもオープンキャンパスや入試前に必要な情報を確認するというのがほとんどで、日常的にチェックする人はかなり少ないのではないでしょうか。
必要な人が、必要なときに見るサイト。そんな印象が強かった大学のウェブサイトですが、近年かなり内容が変わってきているようです。
では、どう変わってきたのか。これはひとことで言うとメディア化です。
これまで大学のサイトは、基本的な情報は載せていたものの、積極的な情報発信はしていませんでした。何か大きな研究成果が出たとしても、記者会見やプレスリリーをして他のメディアに取り上げてもらうことで世に広めるというスタンスだったのです。
しかし、今はこれに加えて、大学のウェブサイト自体がメディアとなり、直接、社会に情報を届けようという動きが増えてきています。
いくつか例を挙げてみましょう。
・Meiji.net(明治大学)
教育・研究の情報を紹介する、かなり硬派なサイト。動画コンテンツが充実しているのがうれしい。本ブログで取り上げた記事あり。
・Kindai Picks(近畿大学)
いろんなメディアに取り上げられた近大の記事の紹介と、サイト独自のコンテンツの2つを配信。こちらも本ブログで取り上げた記事あり。
・駒大PLUS(駒澤大学)
研究レポートや卒業生インタビューなどのコンテンツとともに、仏教関連のコンテンツも充実。お寺の学寮を起源とする駒澤大学らしい。
これらサイトを見てまず思うのは、大学って実はネタをいっぱい持っているんだなぁという、何のひねりもない感想です。大学という特性上、記事はどちらかというとマジメな内容が多く、腰を据えて読めないと、なかなか理解できないものも少なくありません。でも読んでみると、意外と読みやすいし、知らない世界に触れられる楽しさがあります。
また、こういった大学視点のメディアとは別に、学生視点でのメディアというのもあります。こちらもいくつか例を挙げておきましょう。
・UmeeT(東京大学)
東大生有志が運営するウェブマガジン。かなりぶっ飛んだ企画も多く、面白い。本ブログで取り上げた記事あり。
・plum garden(津田塾大学)
サイトのつくりが女子大らしく、かわいらしい。卒業生や教員へのインタビュー記事多数。ほとゼロにレポート記事あり。
・早稲田ウィークリー(早稲田大学)
研究、ゼミ、活躍している人物などから就職に役立つ情報やグルメレポートなど、取り扱う情報が幅広く、エネルギッシュ。
こちらは、大学視点のものに比べて、だいぶ内容が軽いというか、読みやすい。ただ、語りかける口調から感じるに、受験生や大学生といった同世代に向けたメディアな印象を受けました。
大学視点のもの、学生視点のもの、どちらも記事を読んでいくと、どんな情報を積極的に発信しているのか、どんなスタンス・口調で情報を伝えているのかがわかってきます。
たとえば、Kindai Picksなら独自コンテンツとともに、他メディアで取り上げられた記事の紹介もしており、“社会から注目される近大”を強く感じさせるサイトですし。学生たちが運営している東大のUmeetは、東大がどう見られているかをしっかりわかったうえでの、東大なのに…という切り口で記事を作っており、それがある意味、とても東大らしいし、学生らしいです。
記事が面白いのはもちろん、情報の端々から感じ取れるサイトの個性や編集方針もまた魅力です。なんかマニアックな見方かもしれませんが、大学が社会と直接コミュニケーションをとりはじめた今だからこそ感じられる新しい大学の一面がそこにはあるわけで、これは大学の個性やキャラを知るうえで良いヒントになるように思います。
ちなみに今回、紹介したのはごくごく一部の大学で、大学のメディア型サイトは探すとかなりたくさんあります。ぜひ興味のある人は探してみてください!
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