2016/07/30

異業種コラボで生み出す、大学だからこそできるニュービジネス


この時期になると大学の一般向けの取り組みで、よく目にするのが子ども向けの体験イベントです。なかでも多いのが、理系の魅力を伝える理科教室や科学教室。私自身が子育て世代にどっぷり浸かっているためか、普段は大学に見向きしないのに、これらイベントにだけは参加するという人がまわりにチラホラいます。

今回、この子ども向け体験イベントで、ちょっとユニークなものを見つけたので、こちらについてご紹介しましょう。

以下、リセマムより。


【夏休み2016】12大学出展、子ども向け体験イベント「マナビゲート」8/20・21 
学び体験フェア「マナビゲート2016」が8月20日と21日の2日間、東京国際フォーラムで開催される。早稲田大学や明治大学など12大学が出展し、子ども向けに多彩なプログラムを提供。私立小中高が出展する東京都私立学校展も同時開催する。(後略)

通常、子ども向け体験イベントというと各大学で開催している場合がほとんどです。大学をまたいで行う取り組みとして、「科研費」をもらっている大学の研究室が研究や学問の魅力を伝える「ひらめき ときめき サイエンス」がありますが、こちらも開催は研究室単位で、大学が一堂に集まるということはありません。

でも、今回のように大学が集まると、いろんな分野の学問の面白さがわかるうえ、各大学の特色も見えていいですよね。それに受験生に特化していないイベントのため、大学間の競合関係もあまりないはずなので、協力して何か面白いことができるんじゃないでしょうか。これについては今後に期待したいところです。

このイベントで最も目を引いたのは、私立の中学高校の進学相談会を同時開催しているところです。大学が何かをして、大学に人を呼び込むというのは、よくあることです。でも、今回は大学が学問の面白さを伝え、私立中高の進学につなげるという、まったく異業種ではないものの、分野の違う二つが連携しています。

大学が特定のターゲットを集め、そのターゲットを欲しがる別分野に協力(場合によっては協賛)してもらうという構図に、何かしらの新しい可能性を感じるのです。

たとえば、家族向けに国際交流イベントをつくり、旅行会社に協賛してもらうとか。シニア世代向けに健康をテーマにしたイベントをつくり、健康食品やフィットネス関連の企業がブース出展するとか…考えればいろんな切り口がありそうです。

大学の専門性やリソースをアピールしつつ上手く使って、他業種とコラボイベントをする。一大学だけだとパンチが弱いですが、複数大学を集めることができれば、大学にとっても、コラボ先にとっても、もちろんターゲット層にあたる人たちにとっても有益なことができるはずです。

今後18歳人口が減り続け、大学が新たな収入源を欲することが目に見えているわけで、これは真剣に考えてもいいんじゃないか? ターゲットが受験生じゃないので、大学間での連携・協力もやりやすそうだし。なんか本気でアリなような気がします。

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