昔は筆記試験だけだった大学入試も今ではいろんな試験方式が増えてきました。そんななか、東洋大学では、かなりイマドキというか、挑戦的な入試をはじめるようです。
以下、大学プレスセンターより。
自宅受験を可能とする日本初の「Web体験授業型入試」がスタート-- 9/1より課題動画を公開 -- 東洋大学
東洋大学(東京都文京区/学長 竹村牧男)は、2016年10月・11月・12月に実施する2017年度開設の新学部「情報連携学部」および「国際学部」の公募制推薦(AO型推薦入試)において、「Web体験授業型入試」を導入する。事前課題(Web体験授業)の視聴から面接までの試験プロセスを一貫してインターネットで行う入試は日本初。この事前課題の動画を9月1日(木)午前11時に、東洋大学入試情報サイト「TOYO Web Style」内で公開する。(後略)
東洋大学といえば、2014年度の入試広報から大学案内の制作を廃止し、ウェブサイトでの情報発信に特化するといった大胆なインターネットの活用で話題になったことがあります。今回の「Web体験授業型入試」も、そんなネット重視の東洋大らしい取り組みです。
なお、試験方式を確認してみると、指定されたWeb体験授業を見て、期限までにレポートと説明用のプレゼン資料を提出。その後、大学ないしWeb会議システムを使ってプレゼンテーションを行うというもののようです。
内容としてはかなり手が込んでおり、筆記試験とはまた別の視点から、高校生の能力や意欲を測ることができそうです。しかし、閲覧したWeb体験授業がテーマとなるので、かなりテーマが絞り込まれたうえで、レポート&プレゼン準備を行うことになります。しかも、これら提出物を作成するときに試験官の目がないため、周囲の人の知恵を借りてしまうのでは? という懸念を感じました。
一方で、課題となるWeb体験授業を見てみると、高校生どころか社会人の私でも内容が難しく、中にはすべて英語の授業があり(こちらは完璧にお手上げでした…)、もし周囲の力を借りたとしても、本人が理解していなかったら、プレゼン時にボロが出てわかるだろう、という気もしました。
全国ではじめとのことなので、やってみると改善点も多く見つかるかもしれません。ですが、今後、日本の18歳人口が減っていくことは確実なわけで、海外の高校生や海外に駐在している日本人の子どもを獲得していくうえで、この入試は大きな武器になる可能性があります。
それに、試験地にこだわらず試験が受けられるというのは、高校生だけでなく、大学生の学びにも変化を与えられるかもしれません。たとえば、留学であれば単位化されることが多いけど、ワーホリや長期のボランティア活動、アメリカ横断などのバックパック旅行などは単位として認定されないので、その期間、休学等をする必要があります。しかし、遠隔地から試験(それに授業)を受けられれば、休学せずこういったチャレンジもできるわけです。
近年の大学業界では、インターネット出願がたった数年で多くの大学で実施されるようになり、一部の大学では紙での出願をすべて廃止しました。良いものであると業界が認識したら、一気に広がることだってあるわけです。
入試方式であれ、学びであれ、良いものが取り入れられ、多様性が増すことは、高校生や大学生にとってプラスになります。まだまだ未知数ですが、「Web体験授業型入試」がいつかは入試の当たり前になる可能性だってあるわけです。ぜひ今後に注目していきたいです。
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