2016/09/24

在学生は大学広報のニューターゲット!!(明治大)


本ブログでも以前、「メディア化する大学のウェブサイトたち」という記事で取り上げましたが、近年、大学広報の一環としてウェブマガジンをはじめるところが増えてきています。そして、明治大学がこの流れに乗って(?)かどうかはわかりませんが、新たにウェブマガジンを立ち上げたようです。しかもこのウェブマガジン、内容もさることながら、ターゲットが面白いんですね。なんと、受験生じゃないんです。

以下、大学プレスセンターより。

在学生向け情報サイト「MEIJI NOW」を開設 ~インナー広報の強化を目指す! -- 明治大学 
明治大学は9月20日、明大生に向けて「大学」や「学生」に関する情報を発信するサイト「MEIJI NOW」( http://meijinow.jp )を開設した。明治大学では学生向けの情報発信として、紙媒体の「M-style」を定期発行していたが、発信の頻度を高めることやWebでの発信を高めることを目的に新たに情報サイトをオープン。(後略) 
MEIJI NOW」( http://meijinow.jp )


明治大学といえば「Meiji.net」という学術・研究系のウェブマガジンを運営しており、こちらについては「今こそアカデミックで得体の知れない大学へ」という記事で取り上げたこともあります。

Meiji.net」( http://meiji.net

つまり明治大は、すでにウェブマガジンを一つ運営しているうえで、さらにもう一つ新たなウェブマガジンを運営するわけです。そのため、当然ウェブマガジンを運営する大変さというのは嫌というほど知っているはずなんですよね。(私も「ほとんど0円大学」を運営していますが、ほんと手がかかるんですよ…)

にも関わらず、ウェブマガジンを新たに立ち上げるのは、こういった情報発信のしかたに効果があるという実感があるからに違いありません。でも、それなら受験生向けでは……と思うのですが、興味深いことにそうではなくて「MEIJI NOW」のメインターゲットは在学生なんですね。

掲載されているコンテンツを見ると、「先輩のコト」「キャンパスのコト」「学生生活のコト」などなど。明大生視点でさまざまな情報が載っており、受験生にとっても訴求効果が高そうだし、実際サブターゲットとして受験生も考えられているようです。でも、サイトの副題に「明大生のための情報サイト」と明記していることから、明大生のためのサイトという位置づけにブレがないことがわかります。

では、なぜそこまで在学生に向けて情報発信&コミュニケーションを手厚くとる必要があるのかと考えたとき、頭に浮かんだのは2018年問題です。

この問題を議論するなかで、よく運営費の一部を卒業生等の寄付でまかなうことも考えなくてはいけないという意見が出てきます。実際こういった意見に同調するように、卒業生向けの施策が依然に増してだいぶ手厚くなってきた印象があるし、卒業生向けのサイトや冊子でストレートに寄付を募るものも見かけるようになりました。

しかし、愛校心なんてものは卒業後に急に芽生えるなんてことはまずないように思うんですね。というより、唐突に芽生えたらかなり怖い…。これは在学中に育んでいかなければいけないものなわけです。

「Meiji.net」という斬新かつ中身の濃いウェブマガジンを運営する明治大が、あえて在学生向けに新たなウェブマガジンを立ち上げるのは、こういった当たり前のことをちゃんと受け止めた結果なのでは、という気がします。

もちろんこれは勝手な推測でしかありません。でも、今後のことを考えると、卒業後も見据えて、在学生との関わり方をもっと濃くするべく見直していくことが必要になるはずです。そしてこれは教育や学生支援の分野だけでなく、広報についても言えることなのかもしれません。

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