2016/10/22

今後のことを考えて、大人と学生がともに学べる風土をつくろう(同志社大)


大学の授業というと教員が行うのが一般的ですが、中には政治家や企業人が講師となって開催するものもあります。

寄付講座であったり、特別講座であったり、講座の名前や開催する経緯は大学ごとに異なるものの、こういった講座で講師を務める人は業界で名の知れた人の場合が多いです。

今回、同志社大学で開催される出張授業も、まさにそんな講座の一つ。しかもこの講座、学生でなくても聴講ができるみたいです。

以下、リセマムより。


マツダ、同志社大で一般も聴講可能なモノづくり出張授業11/15 
マツダは、日本自動車工業会(自工会)による「大学キャンパス出張授業2016」の一環として、11月15日に同志社大学の室町キャンパス(京都市上京区)にて、菖蒲田清孝専務による出張授業「『ワクワク』と『技術』をつなぐ “マツダのモノづくり"」を実施する。(後略)

記事を読むと、今回の講座は「大学キャンパス出張授業2016」という日本自動車工業会の取り組みの一環とのこと。それで調べてみたら、マツダだけでなく、日産やトヨタ、本田、ダイハツなど、日本の主要自動車メーカーの経営陣がさまざまな大学で講座をしており、中には社長自ら講師を務めるものもありました。かなり贅沢で魅力的な講座なのですが、残念なことに一般の人が受講できるのは、記事にあった同志社大のみのようです。

著名人が講座をするとき、学生限定にしてしまい希望する学生が一人でも多く参加できるようにする、というのがよくあります。至極まっとうで当然なことと思うのですが、でも、社会経験のある大人がこういった講座を聴くと、学生とは違う受け取り方をするところもあるし、理解の深さも違うように思います。

だから一般にも開放して、講座終了後に大人と学生とで意見交換をする場を設ければ、より豊かな学びの場ができるのではないかと思うのです。さらにこういった講座は、大人に公開講座などの社会人向けプログラムに興味を持ってもらう良いきっかけにもなるはずです。

私が実際に参加した講座でいうと、意見交換の場こそありませんでしたが、京都精華大学の「アセンブリーアワー講演会」が学生と大人が一緒に聴ける著名人講座で、かなりエキサイティングでした。

学生と大人が混じって席に座り、著名人の話をみんなが真剣に聴く。そして講座の終わりに、各々の視点、立場から著名人に質問をあびせる。いろんな世代が混じり合った学びの様子に、これからの大学のあるべき姿みたいなものを感じました。

大学では、たびたび著名人による一般向けのセミナーやシンポジウムが開催されます。でも、これだと学生がほとんど参加しないのでちょっと違うんですね。学生と大人が一緒になって学び、互いに刺激し合える。そういった学びの場こそが魅力的なのです。

そしておそらく、18人口が急速に減る日本の大学にとって、こういった教育の風土が社会に浸透することは、とても重要なことのように思います。だからこそ、まずは試験的に忙しい社会人でも足を運びたくなるような講座を一般に開放してみてはいかがでしょう。もしそんな大学が増えると、私も個人的にすっごくうれしいです。

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