2017/06/24

高校1・2年生向け広報はイメージより実利を(筑波大)


少し気の早い話ですが、小学生たちは夏休みになると宿題として自由研究に取り組まないといけません。植物や昆虫の観察なんかがスタンダードな気もしますが、何をするかで悩む子ども&保護者は多いのではないでしょうか。そんな迷える子どもと保護者の救いの手になるイベントが、筑波大学で開催されるようです。

以下、リセマムより。


【夏休み2017】筑波大職員がアドバイス「自由研究お助け隊」7/29 
筑波大学は7月29日、中学生を対象にした「夏休み自由研究お助け隊2017」を開催する。13のテーマが用意されたワークショップから、1つを選び参加するほか、筑波大学中央図書館の見学も行う。申込期間は7月1日から21日まで。参加費無料。(後略)

夏休みになると大学主催の子ども向け科学教室があり、自由研究のヒントを探すために参加する子どもが多くいます。今回の筑波大もこれと似た内容ではありますが、ストレートに「自由研究お助け隊」と言ってしまっているのがわかりやすくていいです。それに、自由研究を前面に押し出すと、自分がまさにこれからやらなくてはいけないことと関連づくので、科学の楽しさを知ろう! という多くの科学教室が掲げるテーマより、子どもたちはピンときやすいかもしれません。

少し話を飛躍させますが、大学の入試広報では、受験生よりも若い世代(高校1~2年生)に、大学を認知してもらおうという広報のアプローチがあり、多くの大学で取り組んでいます。こういった広報用のツールをつくる場合、教学内容を深く伝えるのではなく、まずは興味を持ってもらえるように、情報量を薄くし、楽しさ、おもしろさを強調して制作することが多いです。

しかし、今回の筑波大の取り組みを見て感じたのですが、もしかしたらそうではなく、必要なこととひも付いた情報を発信する方が、大学への興味がまだ比較的うすい高校1~2年生には響きやすいのかもしれません。だって、ほとんどの高校生がスマホを持っている現在、楽しいもの、おもしろいものは、少し探せばいくらでも見つかります。それに、大学に楽しさ、おもしろさを求めているかというと、おそらくそうではないでしょう。

高校1~2年生が大学に抱いているイメージは勉強や学問であったり、将来や就職などのように思います。これらイメージと合致し、なおかつ彼らが必要な情報を必要なときに発信した方が、よっぽど食いつきがいいのではないでしょうか。たとえば、高校のテスト対策をネイティブ教員によるレクチャー動画で行ったり、教科書で取り上げられている古典作品を歴史学科の教員が深掘りして解説したり。また、三者面談の時期に合わせて、キャリア関連の教員が相談窓口を開設するというのも喜ばれるかもしれません。

つくり方を工夫しないと、ちょっと重たいコンテンツになるかもしれません。でも、取っつきやすい表現でつくれれば、高校生に必要なことに対応したものになるので、利用する人は少なくないはずです。そして、やるのであれば筑波大の「自由研究お助け隊」のように、直球ど真ん中のストレートな表現が絶対いい。取り組みとして目新しいものなので、まずはわかりやすいのが一番です。

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