2018/03/23

春のオーキャンは、もっと高校生に寄り添おう(北海道科学大)


入試が終わったと思えば、すぐに次年度の入試広報はスタートします。その皮切りとも言えるのが、3月、4月に開催される、春のオープンキャンパスではないでしょうか。この春のオープンキャンパスで、ひときわ個性を放つものを見つけたので、今回はこれをご紹介しましょう。オーキャンに個性があるっていうのは、とても大事なことだと思うのです。

以下、大学プレスセンターより。


「自分の進むべき道が見える5時間」北海道科学大学が3月21日に春のオープンキャンパスを開催 
北海道科学大学(札幌市手稲区)は3月21日(水・祝)に「自分の進むべき道が見える5時間」をテーマとしたオープンキャンパスを開催する。特設ステージで開催する「学科プレゼンテーション―例えば、誰かのために―」が今回の最大の見所で、世の中に起きている「寂しいシーン」を切り口に、各学科を代表する15名の教員がそれぞれの研究分野に基づき、未来の技術や研究の発展について学科横断型の学びを伝える。また150名以上の学生がスタッフとして参加する。(後略)


まず「自分の進むべき道が見える5時間」というタイトルが、ものすごく力強いですね。学生生活や教学内容を伝えるという、従来のオーキャンのスタンスではなく、明確なテーマを持って企画・運営しているというだけで、かなり目を引きます。さらに、各学科を代表する15名の教員によるプレゼンテーションや、150名以上の在学生スタッフとふれあえるというのも、他大学にない個性と言えそうです。

どのオープンキャンパスに行くかを考えるとき、最初に候補として挙がるのは、志望大学やあこがれている大学です。こういった大学がある高校生は、迷うことなく目当てのオープンキャンパスに行くことでしょう。しかし、3月、4月は大学への知識がまだまだ乏しい時期。志望校や将来の目標を見つけられていない高校生もたくさんいるはずです。そして、こういった高校生であっても、まわりの雰囲気に押されたり、学校から指導されたりして、オープンキャンパスに参加する(しなきゃいけない)場合は多々あるように思うのです。

この志望校は決めていないけど、オーキャンに参加する(しなきゃいけない)高校生というのは、おそらく大学そのものに対しての興味がまだまだ薄い人たちです。この人たちに、「オープンキャンパスに参加すると、うちの大学のことがよくわかるよ!」とアピールしても、なかなか響きません。だって、個々の大学に興味が湧く以前の段階にいるわけですから。とはいえ、うちの大学を知ろう、というのがオーキャンの最もスタンダードな切り口であり、ほとんどのオーキャンは、この切り口で企画され、誘い文句を広告に載せます。こうなると、興味の薄い高校生は選ぶのがつらいんじゃないでしょうか。

このような状況を推測しつつ、再び北海道科学大学のオーキャンのテーマを思い返してみましょう。

「自分の進むべき道が見える5時間」

……これ、響く人にはかなり響くような気がしませんか? 実際のところは、自校のアピールがイベントの中心になるのかもしれません。でも、テーマだけで捉えるならこのオーキャンは“大学選びを考えるためのオーキャン”です。これは、オープンキャンパスが大学のためにあるのではなく、高校生のためにあることを強く打ち出しています。

志望校がある程度固まってきた後半のオーキャンであれば、自校について伝えるという、従来の切り口が好まれるように思います。でも、3月、4月という早期のオーキャンであれば、悩める高校生に寄り添った切り口の方が喜ばれるかもしれません。まぁ誰もが目標にする超ブランド大学は、また別なんでしょうけれど。

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