東京オリンピックの開催が2年後にひかえ、未来の日本代表候補がいる大学では、にわかに学生スポーツ熱が増してきているように感じます。この学生スポーツ熱をさらに加熱させる取り組みを、武庫川女子大学の学生たちがはじめたようです。
以下、朝日新聞デジタルより。
武庫女大がスポーツ新聞創刊 五輪めざす学生紹介
武庫川女子大学(兵庫県西宮市)が今春、タブロイド判のスポーツ新聞「武庫女スポーツ スポラビ!」を創刊した。学生スタッフ6人が取材や編集にあたり、1面では「体操部 東京オリンピックへ始動」と見出しをつけ、全国大会で活躍する部員2人を紹介している。(後略)
学生スポーツ新聞の歴史は古くて、一説によると最も歴史のあるものは、1953年に創刊された明治大学の明大スポーツだと言われています。以前、この新聞部を取材したことがあるのですが、毎号1万部(特別号は3万部)という発行部数や、学生同士だから聞ける中身の濃いインタビューなど、想像していたものよりもさらに魅力的で驚きました。なお、学生スポーツ新聞については、以前の記事にまとめているので、ぜひご覧なってください。
それで、今回はこの学生スポーツ新聞を、武庫川女子大が創刊したという記事です。学生スポーツ新聞は、規模の大きな総合大学がよく発行している印象があり、女子大が発行しているというのは、これまで聞いたことがありませんでした。そして、めずらしいからこそ、メディアに取り上げられているのだろうと思います。
学生スポーツ新聞が盛んなところは、学生スポーツの花形である、野球、ラグビー、サッカー、駅伝といったクラブが強い大学です。こういう大学の新聞は、発行回数も発行部数も多い傾向にあります。当たり前ですが、こういった大学だと読者となるファンがたくさんいるわけだし、学生スポーツ新聞の記者もまたファンなわけで、記者も多く確保できるのでしょう。
しかし、女子の場合、駅伝はともかく、野球、ラグビー、サッカーの参加人数が男子ほど多くなく、これらキラーコンテンツでファン(読者)を獲得することがむずかしい。加えて、男女共学の総合大学に比べて女子大の学生数は少ないので、ファン(読者)の絶対数も少ない。こういった状況があるため、学生スポーツ新聞をはじめる女子大というのが少ないのかもしれません。
とはいえ、学生スポーツ新聞は、新聞を発行する大学のスポーツ熱を上げるだけでなく、学生スポーツ全体の盛り上がりを演出するメディアです。女子大に不向きだからつくらないだと、学生スポーツ(女子)を盛り上げていくうえで残念な気がします。それに、新体操やシンクロなど、女子の競技人口が多いスポーツもあるわけで、これらを活性化させていくうえでも、女子大の学生スポーツ新聞は役立つはずです。
武庫川女子大は、日本の女子大のなかで、最も学生数が多い大学です。こういった女子大が、しかも東京オリンピックという日本中のスポーツ熱があがるタイミングに、学生スポーツ新聞を創刊するというのは、とても意義があることなのではないでしょうか。この新聞が注目されて、第二、第三の女子大版・学生スポーツ新聞がでてくると、学生スポーツ(女子)がもっともっと盛り上がっていくかもしれません。ぜひ武庫川女子大の取り組みを応援したいです。
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