大学通信教育のメインターゲットというと、社会人とシニア層、主婦層が頭に浮かびます。でも、近畿大学の通信教育部は、これらとは違うターゲット層にも人気なようです。通信制の強みの活かし方として、こういうアプローチもありなのかと、目からウロコだったので、今回はこれについてご紹介します。
以下、大学プレスセンターより。
「近大 EXPO in 台湾」開催 近畿大学と台湾の学生交流50周年記念イベント
近畿大学(大阪府東大阪市)は、平成30年(2018年)12月21日(金)、台北国際会議センター(台湾:台北)にて、台湾との学生交流開始から50周年を記念し、台湾の大学や企業との交流を通じて、親善をより深めることを目的としたイベント「近大 EXPO in 台湾」を開催します。(後略)
記事の冒頭を引用するだけでは、通信教育とまったく関係ないように感じられますが、リンク先を読んでいくと【本件の背景】という項目に、そもそもは通信教育部が台湾と交流を持ったことがきっかけ、と書かれています。
実は、この近大通信教育部と台湾とのつながりは、先日、紹介した拙書『50歳からの大学案内 関西編』で、近大通信教育部の学生さんを取材して、わたしは知りました。取材時の話によると、日本の大卒資格を取得したい台湾人はけっこう多く、学びやすいように近大ではスクーリング授業(面接授業)を台湾でも実施しているとのこと。
通信教育の大きな魅力は場所を選ばずに学べることです。これまで勝手に、この場所というのは日本限定だと考えていたのですが、そんなことはないんですね。今や交通網が進化し簡単かつ安くで海外に行けるし、どこでもインターネットが利用できます。こういう状況であれば、学ぶ意欲さえあれば、世界中のいたるところで学ぶことが可能です。
とくに近年、通学不要で卒業できる通信教育もじわじわと増えてきています。この手の通信教育であれば、全世界から学生を募ることへのハードルはそこまで高くないように思います。さらに、日本の歴史や文化、食、ポップカルチャーなどなど、世界が学びたいと思える日本はたくさんあるわけで、これらジャンルを専門的に教えている大学であれば、外国人が興味を持つ教育プログラムをつくるのは、そこまで難しくないかもしれません。
留学生の獲得は、多くの大学が積極的に取り組んでいるテーマです。でも、現在のところ、ほぼすべての大学が通学制での獲得を考えています。少し切り口を変え、通信制で“留学しない”留学生を集めていく。そんなアプローチをかけてみてもいいのかもしれません。
大学にとって“留学しない”留学生が増えることは、経営的な観点からうれしいだけでなく、自校ブランドを海外に広げるという意味でも効果的です。あまり前例のないチャレンジになりますが、やる価値はあるんじゃないでしょうか。わたしも、何か手伝えることがあれば、ぜひ手伝いたいです!
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