2019/02/16

就活が変わる!? 就職エージェントが学生に与えるものと奪うもの


ここ最近、企業の採用状況がずっと売り手市場になっています。そのため企業は、これまで以上に、あの手この手で良い人材を獲得しようとしているのですが、そんなニーズに応えた新たなビジネスが大学生向けに広まっているようです。

以下、朝日新聞デジタルより。

就活に「代理人」、活用広がる 適性企業を紹介、学生負担ゼロ 
就職活動中の大学生一人ひとりに専任のアドバイザーがつき、希望や適性に合った企業を紹介する「就職エージェント」が広がっている。内定して入社が決まればエージェントは企業から成果報酬を得るため、学生の負担は0円。一方、大学の就活担当者は「就活は自分が主体的に行うことを忘れないで」と学生に呼びかける。(後略)

就職エージェントは転職ではよく利用されていますが、それの新卒版みたいですね。記事にあるように学生は費用負担がないうえ、いろいろとアドバイスをもらえるので、とてもありがたい存在になりそうです。就職活動がはじまると勉強がおろそかになりがちなので、学業に集中するためにも重宝されるかもしれません。

就職エージェント業をする会社にとっても、就活生は魅力的なのではないでしょうか。転職の場合、どこにどれだけ転職希望者がいるかわからないため、顧客を獲得するために広告で広く情報発信する必要があります。でも、就活生であれば大学にいることがわかっているため、顧客獲得に向けたアプローチは比較的容易になります。今後、大学と提携する就職エージェント業の会社も出てくるかもしれません。

このように学生にとっても、就職エージェントにとっても、魅力的な取り組みだと思います。でも、気になることもあります。

就職活動というのは、社会や業界、企業について知るきっかけだし、何より自分自身を見つめ直す大切なイベントです。就職エージェントという、ぐいぐいと引っ張ってくれる人がいるのは心強い反面、自ら考えることを放棄してしまわないかと思うのです。不安なときにその道のプロが間近で親身にサポートしくれるわけですよ。頼り切ってしまう方が自然です。しかし、このタイミングに考えることを放棄するのは、あまりにも危険です。

また、就職エージェントは、仕事として自らの利益のために学生をサポートしています。学生のやりたいことより、自らの利益につながる選択をすすめる可能性だって十分にありえます。たとえば、就職活動をしばらくやって、いくつかの内定をもらえていたけど、やっぱり休学して世界を見て回りたい、なんて学生が思ったとします。このとき就職エージェントは、どういうアドバイスをするのでしょうか。

いろいろと書きましたが、役に立つものは積極的に取り入れるべきで、就職エージェントも然りだと思います。今の日本にとって“新卒”という“切符”は、非常に効果的だけど、基本一回しか使えません。就職エージェントという圧倒的に頼りがいのある存在に、ついこの“切符”を託したくなりますが、ちゃんと自分でにぎりしめて就職活動に取り組んで欲しいと思います。大学も就職ガイダンスかなんかで、就職エージェントとの関わり方のレクチャーをするべきなんでしょうね。いやはや、時代は変わっていくものです。

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