2019/02/23

法改正で増加する!? これからの日本を支える(かもしれない)“日本通”の労働者


「国際化」が大学の魅力になるため、日本人留学生を増やすことに、また海外からの留学生を受け入れることに、積極的な大学が多くあります。日本学生支援機構の調査だと、2018年5月1日現在、大学(学部)で学ぶ外国人留学生は約8万5千人、大学院で学ぶ外国人留学生は約5万人とのこと。これは10年前に比べると、大学(学部)で約1.3倍、大学院で約1.4倍となり、大きく増えています。今回、見つけた記事には、そんな順調に増えている外国人留学生を、さらに増やすだろうことが書いてありました。

以下、朝日新聞デジタルより。

留学生の就職先、拡大へ 大卒・高い日本語能力が条件 
日本の大学や大学院を卒業した外国人留学生の就職先が広がる。法務省は外国人留学生について、卒業後に国内の会社に就職しやすくするための新制度の素案をまとめた。接客業など日本語を主体的に使う業務について、1年更新の在留資格「特定活動」を与える。更新回数に上限は無い。4年制大学か大学院を卒業・修了し、日本語能力試験で最もレベルが高い「N1」を合格した人が対象だ。(後略)

これまでは、外国人留学生が日本での就職を希望しても、大学で学んだ知識が活かせない分野だと「在留資格」が下りなかったようです。でも、今回の法改正が実現すると、大学ないし大学院を卒業し、高い日本語能力があれば、接客業などでも「在留資格」が得られるようになります。

考えるまでもなく、学生時代に専攻した学部の専門と進路がつながらないことなんて、よくあることです。私も学生時代は国際関係について学んでいましたが、今はぜんぜん違う仕事をしています。では、学生時代の知識が役に立っていないのかというと、そんなことはありません。仕事と直結しなくても、学んだことは血となり肉となり、仕事のさまざまなシーンで役立っています。むしろ、学び(とくに文系)というのは、そういうもののような気さえするのです。だから、外国人留学生の就職先が広がるのは、とても自然なことのように感じました。

また、これからますます人口が減っていく日本にとって、労働力をどう確保するかは大きな課題です。その解決策の一つに、外国人労働者というのがあるのですが、単に移民を受け入れるより、日本に興味があって日本で学んだ経験のある外国の方に働いてもらう方が、ずっといいように思います。日本の大学も、定員割れで困っているところがたくさんあるうえ、キャンパスの国際化は、冒頭で述べたように大学の魅力になるし、日本人学生の教育にとっても直接的なプラスです。

留学生増からの“日本通”外国人労働者増の流れは、日本、大学、外国人留学生どれにとっても喜ばしいことです。ぜひ大学には、法改正にあわせ、外国人留学生向けのキャリアサポートを、さらに充実させてもらいたいなと感じます。それにこの流れが加速していくのなら、“外国人留学生の日本での就職”をテーマにした専攻やコースができてもいいのかもしれません。観光系やビジネス系の学部学科だったら、やりようによってはそう手間をかけずにできそうな気もします。なんにしろ、向かう方向としては、現実的かつステキなので、法改正を機にもっと気運が高まってほしいものです。

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