2014/07/08

愛校心ある卒業生と向き合う場所(早稲田)


大学の中には研究成果や自校の歴史、創設者の業績など、さまざまな展示をする博物館をキャンパスに設置しているところがあります。これら博物館に行くと、その大学が何を大切にしているのかがよくわかるので、楽しいだけでなく、大学の個性や考え方を知るのにもとても役に立ちます。

現在、早稲田大学に、ある意味でとても早稲田らしいテーマを扱う博物館の設置構想があるようです。しかも、そのテーマを扱った本格的な大学博物館はまだないらしく、もし実現すれば日本初になるんだそうです。

以下、毎日新聞より。


早稲田大:スポーツ博物館を構想 OBら散逸資料を収集 
日本のスポーツ発展に貢献した早稲田大出身者の関係品を展示する「早稲田スポーツ博物館」(仮称)の開設を目指し、早大体育会のOBでつくる「稲門体育会」(河野洋平会長)が、本格的な所蔵品集めを始めた。貴重な資料の散逸を防ぎ、学生や市民に多大な功績を知ってもらう狙い。同会から要望書の提出を受けた大学は、今後具体化を検討する予定で、実現すれば日本初の本格的な大学スポーツ博物館になる。【砂間裕之】(後略)


早稲田スポーツといえば、最近、といっても少し前ですが、ハンカチ王子こと斎藤佑樹選手が野球部に入部したことが話題になりました。

実は斉藤選手がいた野球部はもちろん、お正月の箱根駅伝でおなじみの駅伝部や大学スポーツの花形であるラグビー部、それにその他たくさんのクラブで早稲田は全国トップレベルの強さを誇っています。しかも、これらクラブには全国有数の歴史・伝統があるものも少なくありません。

今回、設置構想中の博物館は、これら早稲田スポーツの功績を展示することを目的にしています。多くの一流アスリートを輩出し続けているだけに、かなり意義深いものになりそうです。それに、先人たちの偉業を紹介するのは、早稲田の学生(とくに体育会所属の学生)にとって、とてもよい励みになるんじゃないでしょうか。

また、どの大学にも言えることですが、スポーツ系のクラブに入っていた人と、そうでない人では愛校心に圧倒的なまでの差があります。どの強豪校の選手もそうですが、取材をすると“自分がこの大学の名誉を背負っている”という気概がビンビンと伝わってきます。この強烈な使命感、高揚感は、クラブを引退しても、大学を卒業しても、決して無くなるものではないようです。

今回、設置構想されている博物館は、少し見方を変えると、早稲田に対する強烈な愛校心を持つ卒業生たちの偉業を称える場、という捉え方もできます。

愛校心のある卒業生は、大学にとって生きる宣伝塔であり、強力なサポーターです。今後18歳人口が減ることを考えると、その重要性はますます高まっていきます。そういった卒業生たちの功績を早稲田がどのように受け止めているかを象徴する場としても、この博物館は大いに意味があるのかもしれません。

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