最近、ほんと暑いですね。気がつけば7月、そしてもうしばらくしたら夏休み……。
夏休みになったら、世間のおとーさま、おかーさまは、子どもから、ねぇねぇ、どっか連れてってよ!
と何度となくお願いをされるんじゃないでしょうか? そんなときに、ぜひおすすめしたいのが大学の夏の風物詩(夏以外にもありますが……)、子ども向けの理科・科学教室です。今回はこのイベントについて、ご紹介しましょう。
■ストップ・ザ・理科離れ
子ども向け理科・科学教室、このイベントは今では理工系の学部のある大学で幅広く取り組まれているのですが、そもそものはじまりは1980年代後半から90年代前半にかけて、子どもの理科離れが深刻な社会問題になったのがきっかけだと言われています。
つまり、子どものうちから理工系学問の魅力にふれることで、理科好きになってもらう。そして将来、理系の道に進む人を少しでも増やしていく。そんな意図・ねらいがあったわけです。
■理系の魅力を五感に伝える
理科離れを防止したい、そんなねらいがあったため、これら教室はとにかく子どもに理工系の学びの魅力を伝えるための工夫がいっぱいです。
大きな特徴として挙げられるのが、どの大学のものも総じて体験重視であること。子どもたち自身が実験をしたり、簡単な装置や機械をつくったり、科学って不思議!
なぜそうなるの?
と、ついつい引き込まれる体験が豊富に用意されています。
なかには、ピンホールカメラで撮影した写真をもとに缶バッジをつくったり、化学反応を利用して石けんをつくったり、自分たちでつくったものを持ち帰れるプログラムがあります。
これまでにいくつかの理科・科学教室を取材しましたが、このタイプのものが一番人気と、どの大学も口をそろえて言っていました。
ただしこのタイプは、材料の用意や予算・手間の問題で無尽蔵にできないため、事前予約が必要なところが大半です。興味のある方は大学HPなどにイベント詳細が載っているので前もってチェック&ご予約を!
■かなり理にかなった学びの場
子どもたちの中には、夏休みの自由研究の題材を探すために訪れる人も少なくないようです。さまざまな実験を直で見たり、体験したりできるのですから、まさに打ってつけの場所ですよね。
これら教室で見つけた題材で自由研究をするということは、会場で内容とやり方を学び、それを自宅で再現し、最後にノート等にまとめることになります(たぶん……)。
宿題の題材を大学のイベントで見つけることに、ちょっとズルっぽいと思う人が、もしかしたらいるかもしれません。でもこれは知識を身につけるという意味でも、理工系の学びにふれた驚きを心に刻むという意味でも、かなり効果的なように思います。
■本当に理科の魅力を伝えたいから
魅力的なプログラム、高い学習効果、そして最後にもう一つ理科・科学教室の魅力として挙げたいのが学生や教員たちの熱意です。
多くの大学では、学生や教員が実施するプログラム内容を決め、準備を行い、当日ブースでの説明や指導までも行います。準備にかかる期間は、短い大学で数ヶ月、長い大学では半年以上になります。決して簡単にできるイベントではないのです。
大学、そして学生、教員は、ここまでの手間と時間(それにお金)をかけて、子どもたちに理科の魅力を伝えようとしています。イベントの裏側というのは、あまり目に映らないものですが、それらがわかるとイベントのありがたみもさらに増すのではないでしょうか。
つらつらと「子ども向け理科・科学教室」の良さを挙げてみましたが、実際に足を運ぶとプログラムの多彩さや会場の活気など、まだまだここで伝えきれていなかった魅力があったことに気づくと思います。
ちなみに、子ども向け、と言ってはいますが、同行した親も十分に楽しめる中身の濃いイベントです。ぜひ夏の思い出づくりに、キャンパスに出かけてみてください!
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