2014/07/13

大学業界を耕す取り組み(立命館)


現在、全国的に広まりつつある大学の100円朝食。これは食生活が乱れがちな学生たちに、規則正しい食生活を身につけてもらうため、大学や父母会などの援助によって100円で朝食を提供する試みです。

この100円朝食ブームの火付け役である立命館大学のウェブサイト「RS WEB」で、100円朝食の特集が組まれていました。

■行ってみよう! 始めよう! 100円朝食LIFE

サイトをご覧にいただけるとわかるのですが、これ、けっこう充実しています。100円朝食が誕生した経緯や、利用者ボイス、朝ご飯がなぜ必要なのか云々。さらに今年6月末に開催された「100朝食レシピコンテスト」という学生主催のイベントの開催レポートや受賞料理のレシピなども公開されていました。

100円朝食と聞くと、朝食が100円? いいね! とは思うものの、そこに込められた意図や想いまでなかなか汲み取れません。でも、このようにウェブサイトで誕生した背景について紹介されていると、あーなるほどなと魅力がよくわかります。

それに、この特集を書いているのが大学の広報ではなく、学生たちらしいんですね。それがまたいい。広報主導になると、どうしても広告くささというか、手前味噌感が出てきます。しかし、学生たちが書いていると、そういったものが薄れ、素直に受け取ることができます。

また、ここに書かれている内容は、ある意味では立命館の100円朝食のノウハウ紹介という見方もできます。これから100円朝食をはじめようとする大学にとっては、多少かもしれませんが役に立つものなのではないでしょうか。

以前、本ブログの記事「広がれ、エコの輪(近大)」で、近畿大学がインターネット出願に「エコ出願」と名前を付け、その名前とつくったロゴを他大学に無償で提供していることを取り上げたことがあります。これと同じように100円朝食も一つの大学で取り組むより、多くの大学に波及した方がいい取り組みです。

今回の特集は、そういう意味でも価値のあるものに感じました。そして、これにとどまらず、今後、立命館が100円朝食の普及に向けて積極的に動けば、“100円朝食をはじめました”ということの何倍もニュースバリューのある活動として社会に注目されるようになると思います。

100円朝食しかり、エコ出願しかり、自校に受験するとか、通っているとかヌキにして、受験生や学生のために何ができるか? という視点を多くの大学がもち、それに向けて手をとりあって動くことができれば、大学業界はもっともっと豊かになっていくはずです。

それに、現在の大学(とくに入試広報)は、いかにして生き残るかという、我が、我が、といった雰囲気が強くあるので、そこから一歩引いたスタンスでの活動は、受験生や保護者の目に新鮮に写るような気もします。

まぁ、なんというか、大学業界全体を耕すような活動が、今後、さらに増えていってほしい。立命館の100円朝食の特集記事を読んで、そんな期待を抱きました、という話でした。

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