2015/01/11

漫画×大学という諸刃の剣(千葉工大)


大学のコラボというと、まず頭によぎるのは企業との産学連携ではないでしょうか。でも今回、取り上げるのは産学連携ではありません。大学と大人気漫画がコラボするという、ちょっとめずらしい取り組みです。コラボする大学は千葉工業大学。さて一体どんな取り組みなんでしょう。

以下、千葉工業大学HPより。


夢を持ち、夢に向かって挑戦することの大切さを伝えたいー。
千葉工業大学×大人気コミック『宇宙兄弟』とのコラボレーションが始動! 
本学は創立以来、学生の夢をカタチにすることを、教育を通して応援し続けてきました。また惑星探査研究センター(PERC)という機関を擁し、JAXA(日本)やNASA(米国)などと連携し、宇宙活動に必要とされる先端的な科学技術を研究・開発するなど、宇宙と関わりの深い取り組みを数多く展開しています。
“宇宙、そして夢を持つことに対する思いの繋がりで、高等教育機関とマンガ作品というジャンルを超えたコラボレーションをスタートさせます。宇宙飛行士を目指す主人公や仲間の姿を通じて、夢を持ち、夢に向かって挑戦することの大切さを、未来を担う高校生に伝えたいと思います。(後略)

千葉工大「宇宙兄弟×千葉工大 特設サイト」


千葉工大というと、以前、公式キャラクターがかなりユニークという記事「チバニーというコロンブスの卵」を掲載したことがありますが、今回の取り組みも負けじと独創的です。

とはいえ、漫画で大学の魅力を紹介するパンフレットは、近年よくとは言わないまでもチラホラと目にします。

それに今年度はいわき明星大学が「攻殻機動隊」シリーズを手がけるアニメプロダクションとアニメCMをつくり、ウェブノベルと連動したプロモーションを展開して話題になったり。京都学園大学で「太秦その」という萌えキャラをつくって広報をしたり。漫画やアニメを使った広報が、少しずつですが増えてきています。



いわき明星大学「きんいろのカタツムリ 特設サイト」

京都学園大学「太秦その」

ひと昔前なら大学広報に漫画やアニメを使おうものなら、教員からの大バッシングを受けそうなものでしたが、時代も変わったもんです。

しかし、今回の千葉工大のように実際にある漫画とのコラボとなると話はまた別になります。

漫画表現やアニメ表現を取り入れるだけなら、すべて大学側のコントロールのもとでつくることができます。でも実際にある漫画とのコラボとなると、世界観やストーリーはすでにあり、また高校生への影響力も強いため、大学のイメージが漫画に引っ張られる可能性が大です。

しかも話題性のある漫画だと、通常の広報では想定できないスピードで広まっていくかもしれません。そういう意味では、漫画やアニメとのコラボは、そこそこリスキーな諸刃の剣です。

でも、今回の「宇宙兄弟」とのコラボは、すごいけどややマイナーだった千葉工大の宇宙関連の取り組みをクローズアップさせる上手なコラボだと感じました。

うまくハマれば漫画やアニメとのコラボは高校生への高い広告効果を生みます。「ブラックジャック」と医科大学のコラボはさすがに問題ですが、「サラリーマン金太郎」や「島耕作」シリーズと経済系の大学のコラボなんて悪くないんじゃないでしょうか。いやでも「サラリーマン金太郎」や「島耕作」を読む層って、高校生よりもっと上か。うーん……やっぱりピッタリくるコラボというのは、なかなか難しそうです。

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