2015/10/31

MOOCの新たな可能性、自校紹介講座による大学PR


2012年ごろ、アメリカで立ち上がり、生涯教育の分野で世界的に注目を集めるようになったMOOC。これはMassive Open Online Coursesの頭文字をとった言葉で、端的に言うとウェブ上で展開される公開講座です。日本でも2013年にJMOOCという推進協議会が発足し、さまざまな大学でコンテンツの制作が行われています。

で、このMOOC、今、説明したように、教養や語学、専門スキルなどを身につけるためのオンライン講座なのですが、まったく新しい発想で使ってしまおうという試みを見つけたのでご紹介しましょう。コロンブスの卵というか、なかなか斬新なんです、コレ。

以下、リセマムより。

 一番を決める受講生募集、大学生が作ったJMOOC選手権12/10-1/15 
ネットラーニングが運営するJMOOC公認のプラットフォーム「OpenLearning, Japan」では、有志で集まった学生チームが作成したオンライン講座を競う「JMOOC大学生チーム選手権」の受講を1210日より開始する。受講料は無料。受講期間は2016115日まで。
「JMOOC大学生チーム選手権」は、大学生チームが「自身の通う大学の紹介講座」を作り、その人気を競うイベント。受講者数や修了者数、満足度など、受講者の学習結果をベースに順位を決定し、2016年2月中旬に審査結果の発表と表彰が行われる。(後略) 

私もMOOCを利用したことがあるのですが、利用者の中心が社会人だったし、そもそも大学を知りたい、という動機で使うものではないので、今回の試みのような発想はまず出てきませんでした。この試みを考えた人は、かなり柔軟な思考の持ち主だなぁと感心します。

でも考えてみると、広報的になかなかオモシロい試みです。というのも、通常、広報では一方的に伝えることが多く、対象である高校生は受け身です。今回のように講座化すると、テストに答える必要がでてくるので能動的な聞こうとするし、実際に手や頭を動かして問題に解答する必要がでてきます。これだと通常の広報に比べ、理解度に雲泥の差がでるだろうし、脳への定着の仕方も大きく違うように思います。

とはいえ、講座を受けること自体けっこう手間になるので、高校生にどうやって受けさすかが課題になりそうですよね。しかし、講座修了後に修了証が発行されるので、それをオープンキャンパスで提示するとステキなノベルティをもらえるとか、大学図書館の図書カード代わりに利用できるとか、AO入試を受けるのに必要だとか、そんな工夫をするとけっこう受ける人が出てくるんじゃないかと思います。
  
それにこの講座をつくること自体、学生にとって自身の大学を知る良いきっかけになるし、在学生に受けさせれば格好の自校教育ツールになります。あとホームカミングデイなんかで、卒業生に講座を紹介するとけっこう喜ばれそうな気もします。

つくりかたも、学生が中心になってつくるのもいいですが、卒業生から広くテーマを募ってつくるというのもありですよね。それに歴史編、研究編、クラブ活動編といったように、テーマを決めて複数講座つくるというのもいいかも。あっ、あとやるタイミングとしては、周年記念の取り組みの一つなんかに位置づけると学内を動かしやすい気がします。

……と、すみません、なんか取りとめなく書き殴ってしまいました。でも、少し考えただけでも、あれこれと展開ややり方が浮かんでくるわけで、これは一度で二度どころか、三度、四度、五度、おいしい取り組みになりそうです。配信プラットフォームがJMOOC側にあるので、講座をつくれば(これが大変なんですけどね…)すぐにでもはじめられるのもかなり魅力的です。MOOCを使った自校紹介講座、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょう??

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