2016/04/24

あえて理系にこだわらない理系女子プロモーション(長岡技術大)


理系女子ないしリケジョという言葉がアチコチで使われるようになり、今では社会にある程度浸透した感があります。これはひとえに、大学や国、あとマスコミが、理系女子を増やすための取り組みやプロモーションに力を入れてきた成果なのだと思います。今回、見つけた長岡科学技術大学の取り組みも、そんな理系女子を増やすための取り組みの一つ。視点が、かなりユニークです。

以下、朝日新聞デジタルより。

「Kawaii理科研究員」にモデルの山田さん 
長岡技術科学大学は、理科好きな女性を増やす取り組み「Kawaii理科プロジェクト」で、中学(理科)と高校(生物)の理科の教員免許を持つミス・アース日本代表のモデル山田彩乃さん(25)を学外メンバー「Kawa理科研究員」に任命した。山田さんは「一人でも多くの人が理科に興味を持てるような活動をしたい」と話す。(後略)

記事の最後の方にモデルの山田さんが教育学部出身というくだりがあり、文系かい! と思わず心の中でつっこんでしまいました。でも、あえて文系を起用するというか、文系・理系にこだわらないところに、この取り組みの良さがあるように感じます。つまり、この取り組みは何かをテーマにして理系を伝えるのではなく、理系をテーマにして何かをやる、という発想なんですよね。

もちろん、これだと理系の魅力を深く伝えるのは難しいでしょう。でも、できることの幅は大きく広がるんじゃないでしょうか。実際、記事には同大学が電卓を分解した部品でアクセサリーを作る出前教室や科学教室を開催したことや、今後、白衣のデザインコンテストを行う予定であることなどが書かれています。これは、理系の魅力を伝えるという視点では出てこないアイデアです。

他にも考えようによっては、白衣のファッションショーや科学をテーマにした料理コンテスト、理系女子イラスト展などなど。単純に女子が好きそうなもの“×理系”という視点でアイデアを出すのはそう難しいことではないし、いろんな分野でできることなので、やれることはかなりありそうです。

これら取り組みはきっかけであり、理系の面白さを直接的に伝えているわけではありません。この次のステップとして、理系そのものの魅力を伝えられる取り組みを行う必要があります。でも、きっかけがなければ、そもそも見向きもされないし、きっかけは多いに越したことがない。また、理系女子関連の取り組みは、他大学でもたくさんやっているわけで、興味を持ってもらったら、あとは自分で知識を深めることも容易いはずです。そう考えるときっかけづくりに徹底している同大学の取り組みは、これはこれで十分にアリだし、なかなか攻めているなぁと思うのです。

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