2016/04/09

祭を通じて進化する“大学のまち・京都”


私が住む関西エリアは桜が咲いたと思ったら、もう散りつつあります。毎年、思いますが、桜のシーズンは、ほんとあっという間です。京都ではこの桜の季節に学生たちによる大きな祭があるのをご存知でしょうか? 今年も大いに盛り上がったようです。

以下、朝日新聞デジタルより。

4千人で「さくらよさこい」 街で踊り披露 
学生や社会人ら約4千人が京都の街を舞台に踊るイベント「京都さくらよさこい」が2日、左京区の岡崎公園などで始まった。チームごとに思い思いの衣装で登場し、華麗な踊りを披露した。3日までの2日間で、延べ123チームが参加する。(後略)

祭の名前は「京都さくらよさこい」。今年で12回目を迎え、京都の春の風物詩といっていいでしょう。この祭は、さまざまな大学の学生有志によって組織された実行委員会によって運営されるのですが、とにかく規模がすごい。祭のメインである、よさこいを踊るチームが延べ123チーム参加し、京都市内にある6つの会場で踊りを披露します。他にも、スタンプラリーやよさこいの踊り体験、オリジナルグッズの販売などがあり、よさこい好きはもちろん、そうでない人も存分に楽しめる祭になっています。

また、この祭が開催されるのが4月初旬の土日なのですが、時期がいいですよね。他府県から京都の大学に進学してきた新入生に、京都=大学のまち、と強烈に印象づけられるんじゃないでしょうか。

京都には、このさくらよさこいと同じような取り組みとして、「京都学生祭典」というのが秋に開催されます。こちらも負けず劣らず人気で、多いときには20万人近くの来場者があり、昨年は少し落ち込んだものの、それでも10万人を越す人が訪れたようです。

この京都学生祭典については、以前、共催する大学コンソーシアム京都の担当者を取材したことがあるのですが、そこで印象的だったのは「京都学生祭典は大学祭ではなく、市民祭」という言葉です。つまり、学生たちは学生のため、ではなく市民のため、街のためにやっているんですね。そして、そんな学生を京都の街が受け入れ、京都に縁のある企業が協賛というかたちでサポートをする。そうすることで、街が活性化し、学生が成長する。この素敵で有機的な関係性は、恐らく京都さくらよさこいにも言えるように思います。

近年、地域貢献や産学連携は、大学が取り組むべき重要なテーマとしてよく挙げられます。しかし、一つの大学と一つのエリアないし一つの企業が組むのではなく、京都という街全体を対象に、いくつもの大学の学生、いくつもの企業、そして街全体が一体となって取り組む、こういったスケール感のある取り組みは、めずらしいのではないでしょうか。しかもそれが10年以上続いているうえ1つではない。さすがは京都という感じです。

そして、街そのものを対象にすることで、学生は街を、街は学生を、より身近に感じるようになっていきます。そういう意味では、単に学生が多いから“大学のまち・京都”なのではなく、これら取り組みをずっと続けていることで、“大学のまち・京都”は現在進行形でさらに“大学のまち”へと進化していっているのかな、という気がします。

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