2016/08/07

東京農大の大根という、シンプルだけど力強い武器(東京農大)


東京農業大学の「収穫祭」は大学祭の特集記事などでは必ず名前が挙がる、ユニークな大学祭です。この大学祭でとりわけ人気なのが、大根の無料配布など、大根を使った取り組みたち。今回、収穫祭よりひと足早く、大根を使った地域向けのイベントが東京農大で開催されたようです。

以下、YOMIURI ONLINE(ニュースリリース)より。

創立125周年を記念して1200本のダイコンで「125」と描きました -- 東京農業大学厚木キャンパス 
東京農業大学農学部(神奈川県厚木市船子1737、学長:高野克己)では、平成28年8月6日に厚木市内の小学生対象に「夏のダイコン大収穫体験会」を開催する。 
この収穫体験会を企画・運営しているのは「2016ダイコンプロジェクト」。高畑健農学部助教をリーダーとして、学生同士・学生と教職員・キャンパスと地域のつながりを深めることを目的として活動している。(後略)

なぜこれほどまでに大根にこだわるのか、というのは私が勉強不足でわからないのですが、農業大学が一つの作物にこだわって地域貢献を行うというのは、わかりやすいうえに、面白いですよね。

それに、大根とひとことで言っても、今回、大根で「125」の文字をあらわしたのをはじめ、大学祭で行っている大根の無料配布やだいこんアート、また独自の応援スタイル(?)である大根踊りなど、かなり応用力に富んだ取り組みを展開しているのがスゴい。

さらに今回の記事を読んでいくと、これから同じ畑で、大学祭で配布するための大根を、学生・教職員・企業・ 地域住民で協力して栽培するとあります。大学祭というと、大学と学生が大学関係や地域のために行う祭りであって、基本的には大学プレゼンツのイベントです。

しかし、東京農大の場合、大根づくりを通して、大学祭をつくる側に、学外の人たちを巻き込んでいるわけです。しかも大根の無料配布は収穫祭の目玉イベントの一つ、関わる人たちのモチベーションも高いのではないでしょうか。

自校を象徴する一つのものをさまざまなシーンで使って大学を盛り上げるという手法は、近畿大学の近大マグロに通じるところがあります。ですが、東京農大の場合、マグロと違って画期的な研究成果が活かされているわけではなく、ただただそこに愛があるだけのように思うのです。それでもこだわって活用し続けることで、大学の個性となり、広報の武器になる。一念岩をも通すと言うのでしょうか、東京農大の大根にはシンプルだけど、マネのできないスゴみを感じます。

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