少子化によって大学経営が難しくなってきているというのは、いろいろな記事で目にしますが、それよりもさらに大変なのが短期大学です。なんと現在の短大生の人数は、ピークのおよそ4分の1もいないそうです。
以下、朝日新聞デジタルより。
短大生、ピークの4分の1に 少子化や4年制志向が影響
短期大学の学生数はピークだった1993年の4分の1未満。文部科学省が4日に速報値を発表した「学校基本調査」でそんな現状が明らかになった。少子化に加え、短大生の9割近くを占める女子の4年制大学志向が高まったため、と文科省はみている。(後略)
4分の1以下というのは、かなり衝撃的な割合です。女性は腰掛けで数年働いて、その後、結婚して家庭に入る。そんなライフプランが一般的だった昔とは違い、今の社会では女性も一生働き続けることが求められている。そういった背景があり、4年制大学に入る人が多いのかな、という気がします。
でも、私は短大の仕事も多くやっているのですが、短大の学生には、四大の学生よりしっかりしている子も多いんですね。とくに、保育士や看護師といった資格取得を目的にした学科で学ぶ学生は、その傾向が強いように感じます。
思うに、これら資格取得をメインにした短大に進学する学生は、将来についてシビアに考えている人が大半だし、資格をとるためにパンパンに授業をとっており、さぼる余裕なんてありません。さらにいうと入学して勉強に慣れてきたかと思えば、長期実習や就職活動があり、あれよあれよという間に卒業です。否が応でも緊張感をもって学ばざるを得ないのです。
四大の場合、良くも悪くも時間があるため、中だるみする学生が多くいます。これが起きにくいというのは短大の利点です。おまけに2年しか通わないため学費が安いし、一部の企業の事務職などは、未だ四大卒より短大卒を好むところがあると聞きます。
世間には短大を四大の下位互換だととらえている人がいるように思います。でも実はそうじゃなくて、短大には短大の良さがたくさんあるんですね。だから四大に行けないから短大に行くと考えるのではなく、短大は四大と別のねらい・特長をもった別の教育機関であると認識して欲しい。そう捉えると短大の良さがよくわかるように思います。それに短大で学んで、さらに深く学びたいと感じたなら、編入学をすればいいわけです。
私は教育機関には多様性が必要だと考えていて、さまざまな人が、さまざまな学び方ができることが豊かな社会をつくるうえで、とても大事なことだと思っています。だから、みんながみんな四大をめざすようになって、短大が衰退していくのは、あまり良いことではないように思うのです。ぜひとも短大には盛り返して欲しいものです。
0 件のコメント:
コメントを投稿