いろんな原稿で機会を見つけてはよく書いているのですが、大学に興味が湧いたなら、まずは大学博物館に足を運ぶのをオススメしています。理由は、大学の研究成果や特色、歴史など、その大学をその大学に足らしめているものが、この施設に凝縮しているからです。ここらへんの詳細は、以前書いた記事にまとめているので、ぜひご覧ください。
……で、今回、取り上げたいのは、そんな大学博物館が岐阜大学に新しくできたという記事。このマニアックさが、まさに大学博物館なんですねー。
以下、朝日新聞デジタルより。
トンネル、橋… 岐大に国内初のインフラ博物館
実物大のトンネルや橋の一部を再現し、模型教材として展示する「インフラミュージアム」を、岐阜大学(岐阜市柳戸)が国内の大学で初めて完成させた。1960~70年代の高度経済成長期に造られたインフラ設備の補修・整備が課題となる中、当時の現場を知らない人がその構造を理解する一助になっている。(後略)
インフラをテーマにした博物館という、もうこのひと言だけでマニアック。実際、記事を読んでいくと、短い記事なのにはじめて目にかかる単語がぞろぞろとでてきます。矢板工法、NATM(ナトム)工法、私の知識レベルでは、頭上に何個も?が浮かびます。
しかし、こういったマニアックなテーマの博物館であったり、記念館やギャラリーといったものが、実は大学にけっこうあるのです。そしてどれもマニアックだからこそ面白い!今回はいつもとは少し趣向を変えてみて、私が知っているマニアックな大学博物館をいくつかピックアップしてみました。大学の濃さをちょっとでも感じてもらえるとうれしいです。
工業技術博物館(日本工業大学)
明治初期からの歴史的な工作機械を動態保存・展示している博物館です。企業の博物館には、自社製品を過去のものから展示しているところがありますが、ここはメーカーにこだわらず幅広く展示されているのが魅力。しかも動態保存という、電源を入れれば動く状態でかざっているものが多くあり、そのせいあって館内にはうっすらとオイルの匂いが。さらに蒸気機関車の走行会を定期的に開催しており、キャンパスを白煙をあげて走る機関車は圧巻です。
日本の大学博物館のなかで敷地面積が3位という巨大な大学博物館 |
東海大学海洋科学博物館(東海大学)
ここは博物館、ではなく水族館です。約400種の海の生き物が展示されており見応え◎。面白いのは水族館スペースとは別に、マリンサイエンスに触れられるスペースがあることです。ここでは海洋資源や海洋調査などについて、ちょっとした体験をしながら理解を深めることができます。なかでも気になるのは「機械水族館メクアリウム」のコーナー。海の生き物を模したさまざまなメカニマル(メカ+アニマル)が展示されており、奇妙で愛くるしい姿は、子どもにウケること間違いなしです。
体験学習プログラムが充実しているのがとても大学らしい |
ビアトリクス・ポター資料館(大東文化大学)
ビアトリクス・ポターと聞いてすぐに誰なのかわからなくても、ピーター・ラビットの作者だと言えば、けっこうな人がピンとくるのではないでしょうか。このポター氏と、ピーター・ラビットの貴重な資料を展示しているのが、ビアトリクス・ポター資料館です。貴重な資料や書籍があるほか、絵本の風景を再現したジオラマなんかもあり、好きな人にはたまらない内容です。ちなみに大学のキャンパス内ではなく、埼玉県こども動物自然公園内にあるので行くときはご注意を。
自費出版でつくられた最初のピーター・ラビットの絵本など希少本がいっぱい |
金沢工業大学ライブラリーセンターPMC(金沢工業大学)
PMCというのは、ポピュラーミュージックコレクションの略。その名の通り、全国の愛好家から寄贈されたロックやジャズ、ポップスなどなどのポピュラーミュージックが集められた施設です。博物館というほどの規模ではないのですが、それでもレコード資料は20万枚以上! またLPレコードやCDも常時1万枚配架されており、申請すれば試聴することができます。ちなみにサイトから、どんな音楽が収蔵されているか検索できるので、興味のある方は、まずそっちから覗いてみるのもいいかもしれません。
好みの音楽でボディソニック(体感音響システム)を体験可能 |
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