2017/11/24

ワンデーインターンシップは、学生にとって害悪なのか?


インターンシップというと、学生が企業や社会を知る大切な接点です。マイナビの調査によると、なんと7割を超える学生が参加しているようです。今や学生にとって参加して当然になってきたインターンシップ。しかし、日本私立大学連盟からは批判の声もあがっていると記事にありました。今回はこれについて取り上げてみます。

以下、朝日新聞デジタルより。


ワンデーインターン「就業体験とは名ばかり」 私大連盟 
日本私立大学連盟(会長=鎌田薫・早稲田大総長)は20日、企業が採用時に実施する1日限りのインターンシップ(就業体験)について、「ワンデーインターンシップ」との呼称をやめるよう経済団体などに求める提言を発表した。「就業体験とは名ばかりで、実質的な選考の場となっているケースが多い」としている。(後略)

記事で問題として挙がっているのはワンデーインターンシップ。これが事実上、採用の一部になっている場合が多いと、日本私立大学連盟が懸念を示しているようです。懸念自体はわかるのですが、でも個人的には少し違うんじゃないかという気がします。まず、小さな子供ならまだしも、学生たちは分別がつく年齢です。好ましくないものなのであれば、企業側に言うのではなく、学生たちに伝えるべきです。

さらに付け加えると、好ましくないと一刀両断するのではなく、こういう良さもあるが、こういう面では好ましくないといった情報の提供がいいように思います。これら意見を踏まえて、学生個々人が自分にとって正しい判断を下せばいいし、そういった判断をできるようにすることこそが、教育なのではないかと思うのです。

マイナビの調査によると「19年卒の学生採用でインターンを実施する約700社のうち、7割超がワンデーインターンを実施すると回答」とあります。これは採用活動そしてキャリア教育の一つとして、すでに根付いていることを意味します。せっかく芽生えたものを、雑草だと断じてしまうのではなく、有効な使い方がないのか、どうやったら学生の役に立つのかを考えてみることこそが大切です。

またワンデーインターンシップに採用要素が強いことを大学が嫌がるのは、おそらく学業の妨げになると考えるからでしょう。でも、どの時期にやろうが就職活動は、現在のところ学問の妨げになります。なら、企業に就職活動で学業の成果をもっと評価して欲しいと要望する方が、学生は勉強に励むし、提言としてもずっと前向きなような気がします。

何にせよ、名前がどうだと難癖をつけるよりも、それを学生のために活かすにはどうしたらいいかという視点で、企業と大学が一緒に考えていく。そういうスタンスで歩み寄る方が実り多いのではないか。外から見ていて、勝手にそう思うのです。

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