2015/05/16

知りたいのにわからない「大学生のリアルな生活」


受験生は興味のある大学について知りたいのはもちろんですが、それとは別に学生や大学生活がそもそもどんなものなのかについても興味があるように思います。

受験生たちのこの要望に応えた魅力的なページを全国大学生活協同組合連合会、つまり大学生協のサイト内に見つけましたのでご紹介します。


このページの目的は「大学生のリアルな生活」を紹介することのようです。のぞいてみると、高校生の率直な疑問をもとに学生にアンケート調査していたり、学生たちの一日を紹介していたり、あの手この手で学生たちの素顔に迫っていました。また各大学の生協学生委員会が制作に関わっているようで、掲載されている写真などふしぶしに手作り感があり、それが返ってリアルさを感じさせていました。

わざわざこういったページをつくらなくても、各大学の大学案内や大学HPなどに学生や大学生活についての情報が載っているのでは?そう思う人も多い気がします。もちろん、そうといえばそうなんですが、でもはたしてそうでしょうか?

というのも、大学がつくる広報物は、あくまで自校をアピールするためにつくるものです。そのため登場する学生たちも、いわゆる普通の学生ではなく、大学でかなり優秀な学生(か、美女やイケメン)であり、語る言葉も“よそ行き”になります。

それにそもそもですが、入試広報物に載る学生インタビューは、基本的に素の日常を伝えることを目的にしていません。アピールすべき何かがあって、それを学生の視点から伝えるためにあります。ものすごくドライな言い方をすると、“学生”という表現手法なんですね。

そう考えると、自校をアピールするために選ばれたわけではない学生が登場し、素の日常を伝えるためにつくられた「大学生活ガイド」は、なかなか貴重な情報です。それにこのページ、いろんな大学の学生が混ざり合って登場するのもいいです。おかげで大学のカラーやブランドを意識することなく、学生や大学生活を知ることができます。

入試広報の手法が発展し、細かいところまで大学の情報を手に入れられるようになりました。これはこれでとてもありがたいのですが、どこまでいっても入試広報の目的は“自校のアピール”です。この目的から少し逸れた情報はやはり目立つし貴重だなぁと、今回「大学生活ガイド」を見て改めて思いました。

最後に、これは単なる私の宣伝ですが、大学の広報物に出てくる学生が優秀なのは当たり前、でも普通の学生もちょっとしたきっかけで大きく成長する。この事実を伝えたくて以前、『フツーな大学生のアナタへ - 大学生活を100倍エキサイティングにした12人のメッセージ』というインタビュー集をつくりました。こちらも「大学生のリアルな生活」が満載なので、興味のある方はぜひご一読ください!

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