大学教育の記事を読んでいると、ダイバーシティという言葉をよく目にします。ダイバーシティ、つまり多様性のことなのですが、この言葉は学生時代にいろいろな人や考え方にふれとかなあかんよね、という文脈で使われているように思います。
今回、見つけた取り組みは、専門性を身につけるのはもちろん、まさにこのダイバーシティを知るという観点から、かなり意義深いもののように感じました。学生時代だから知れることって、確かにあると思うんです。
以下、朝日新聞デジタルより。
障害の壁、なくして学ぼう 障害者差別解消法の施行1年、模索する大学
誰もが自分らしく生きられるよう、障害を理由にした差別を禁じた「障害者差別解消法」の施行から4月で1年。大学も対応を求められており、教職員や学生に理解を深めてもらうための取り組みが広がっている。(後略)
リンク先の記事では、日本福祉大学と名古屋大学の取り組みが紹介されています。私の興味がわいたのは、学生が障害のある学生の支援に関わる日本福祉大の取り組みです。
大学の仕事をしているなかでの何となくの印象ですが、福祉系大学には障害のある学生が比較的多くいるように感じます。実際、福祉分野で働くなら、学生時代に障害のある人と友達となりともに学び合う経験は、とても意義深いのではないでしょうか。
そして、これは障害のある人たちだけじゃなく、外国人、LGBTの方、社会人学生などなど、学生時代に同じ学生として、さまざまな人と友達になれたら、どんな仕事に就くにしろ、どれも大きな財産になるように思います。
オヤジの小言的なもので「本当の友達は学生時代にしかできない」といったことを聞くことがあります。これは利害関係抜き、上下関係抜きで、付き合えるのが学生時代までだからという意味合いから発せられる言葉です。
趣味の世界や飲み仲間など、そうでない友達もできるにはできます。でも、社会に出ると、学生時代ほど気軽に腹を割った関係がつくれないのは、私も実感としてわかります。
外国語を覚えるうえで一番効果的なのは、外国人の友達をつくることです。それと同じように、自分と大きく異なる立場に置かれている人、異なる価値や考えを持っている人を理解する方法として最も効果的なのは、知りたい立場にいる、ないし価値・考えを持つ人と友達になることだと思うのです。
大学は「本当の友達」がつくりやすい場であるとともに、小・中・高校までよりもはるかに多様な人が集まる場です。差別やら偏見をなくすために、あれがいけない、こうするべきだと声高に叫ぶことも必要かもしれません。しかし、大学でなら、それとは異なるアプローチで、互いの理解を深め、差別や偏見を減らすことができるはずです。
大学はさまざまな立場、考え方の人と友達になれる場であり、そのつながりが学生を成長させ、社会をよりよくします。研究をしたり、プロジェクトに取り組んだりすることも大事ですが、人とつながることも、これらに負けないくらい大事なことです。教育とは違うかもしれないけれど、大学だからできること。大学はもっと積極的に支援してもいいのかもしれませんね。
0 件のコメント:
コメントを投稿