2017/09/29

予備校コラボで、数より質の受験生向けイベントを(北海道大)


気がつけばすっかり肌寒くなり、オープンキャンパスシーズンもそろそろ終わりを告げようとしています。このタイミングで取り上げるのは、少しタイミングが遅いような気もしますが、今回はちょっとユニークな北海道大学の受験生向けイベントについて紹介させてもらいます。

オープンキャンパスで、大学関係者がまず気にするのは来場者数です。しかし、よりたくさんのターゲットを獲得する方法として、来場者数を増やす以外に、来場者の質を上げていくというアプローチもあります。今回見つけた北海道大のイベントには、この考え方を感じさせるところがありました。

以下、リセマムより。

中高生対象「北大魅力発見フェスタ!2017」河合塾札幌校10/1 
河合塾札幌校は北海道大学と連携し、中高生と保護者を対象とした進学イベント「北大魅力発見フェスタ!2017」を10月1日に開催する。当日は札幌校の全フロアーを開放し、講演や実験、座談会など北海道大学を体感できるプログラムを多数実施する。参加無料、事前申込み制。(後略)

今回の北海道大のイベントは、進学塾の大手、河合塾の札幌校を会場に、大学を体感できる多彩なプログラムを開催するというもの。学力が高く、進学への意識が高いというのは、すべてではないものの、受験生の質をはかる上で大事な要素になります。予備校は、言うまでもなくこれら要素が高い高校生が集まる場所です。こういった場所に、大学の方から打って出るというのは、なかなか理にかなっているのではないでしょうか。実際、記事によると昨年度の本イベント参加者の満足度は98.5%とあり、これだけ好評を得られるのは、イベント内容もさることながら、受け手側が大学の情報を本気で求めていたからこそのように思います。

このイベントは大学にとっても受験生にとっても有意義なのですが、予備校にとっても同じか、それ以上にメリットがあるはずです。少子化が急速に進む社会情勢に加え、高校生の受験に対する熱量は以前に比べて格段に下がってきています。“頑張れば報われる”というムードが社会になくなってきていることが、その大きな要因なように思います。

こんな逆風のなかで、多くの高校生に、今より頭がよくなりたい、今いける大学よりいい大学に進学したい、そういう気持ちを起こさせないことには、予備校の商売は成り立ちません。

予備校が自分たちの校舎で、地元のトップ国立大のイベントをやるというのは、予備校生の気持ちをストレートかつ強烈に焚き付ける効果があるはずです。さらに、ふらりと足を運べる近隣エリアに住む高校生や中学生に、北海道大にいきたい(≒成績をあげたい)という気持ちを起こさせる効果も見込めるように思います。

危機感のある予備校は、大学とのコラボに意味を見出すだろうし、大学にとっても優秀な高校生と接点をもつ貴重なチャネルを得ることになります。しかもほとんどの場合、予備校はアクセス良好な駅近に建っており、講義室が数多く設置され、サテライト授業の装置を持っているところもなかにはあるわけです。

何かここに従来のオープンキャンパスとは違う、イベントづくりの可能性を感じてなりません。オープンキャパスよりもプレミアムで、学びに特化した濃いイベントです。でもまぁ、私が思うぐらいですから、知らないだけでいろんなところですでにやっている、もしくはどでかいハードルがあるのかもしれません。ちょっと研究が必要ですかね。

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