大学が自校の特色のうち、何を、どう、打ち出すのがいいかは、広報の根本ともいえる悩みで、どの大学もとても考えながらされていることだと思います。この問題に答えはないのですが、それでも比較的悩まずとも取り上げやすいものがあります。それは、全国最初の、とか、全国最大の、といった、唯一無二の称号です。ちょうど、年度替わりの時期だからでしょうか。今回は、そんな大学の唯一無二を打ち出した記事を複数見つけました。
以下、産経ニュースと大学プレスセンター(一つ目、二つ目)より。
大阪経済大「全国最年少」の学長就任 山本俊一郎氏
4月から大阪経済大の新学長に就任する学長補佐の山本俊一郎教授(44)が20日、同大の大隅キャンパス(大阪市東淀川区)で記者会見を開いた。大学によると、全国最年少の学長となるという。山本教授は「若さを生かし、商都大阪から社会に貢献できる学生を輩出できるような学びの場を作っていきたい」と抱負を述べた。(後略)
西日本最大のオープンキャンパス開催 仮想通貨×謎解きイベントを、昨夏に引き続き今回も実施!
近畿大学(大阪府東大阪市)は、平成31年(2019年)3月24日(日)、東大阪キャンパスにて、オープンキャンパスを開催します。(後略)
福岡工業大学の志願者数が日本の大学で唯一、13年連続で増加 -- 2019年度入試の総志願者数は過去最高の10,874名
福岡工業大学の2019年度入試の志願者が確定しました。総志願者数は過去最高の10,874名となり、2006年度入試から日本の大学で唯一、13年連続で増加しました。(後略)
どうでしょうか。どれもけっこうインパクトを感じませんか? 私は仕事上、「ほとんど0円大学」ではこちらから依頼して取材する立場だし、大学の広報物をつくる場合は大学から依頼を受けて制作する立場です。どちらの立場に立っても、唯一無二というのは、とても使いやすい表現だと感じています。
では、なぜ、唯一無二が使いやすいのかというと、単純にインパクトがあるというのが挙げられます。でも、それだけじゃないんです。相対的にものごとを表現するわけではないので、端的にわかりやすく表現できるし、なぜこれを取り上げたのか、その理由を説明する必要もほぼいらない。つまり、簡単に表現ができて、伝わりやすい。
もちろん、唯一無二の何かだけで、その大学の魅力をもれなく伝えるのは不可能です。でも、こういったブレにくく強烈に伝わるものを、最初のきっかけに持ってくるのは非常に効果的です。福岡工業大学の「過去13年連続~」のように、唯一無二になるものをいろんな切り口から探し出してくるというのは、広報をする上で、けっこう大切なことなんじゃないかなと思います。
ちなみに、今回、取り上げた近畿大学の3月のオープンキャンパスの広告には「平成最後のオープンキャンパス」という謳い文句が大きく載っていました。近大に限ったことではないですが、でもこれはこれで、近大のオープンキャンパス史(?)にとっては、唯一無二の出来事です。捉え方によっては、けっこういろんな唯一無二があるのかもしれませんね。
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