2013/12/24

書籍『1000%大学活用術』の紹介③


書籍『1000%大学活用術』の紹介①」の2回にわたって、『年齢不問!サービス満点!!1000%大学活用術』で取材した印象的な取り組みについて紹介してきました。

これもとうとう今回が最後、ベスト・オブ・私的に良かった取り組みを残すまでになりました。

さて、1位はどんな取り組みなのでしょうか。気になりますねー、楽しみですねー。


それでは記念すべき1位は……ジャカジャカジャカジャジャャッ…………ダッッタァンッ!!!

東京外大の「外語祭」です。

「外語祭」とは、東京外大の学園祭のことなのですが、出店している屋台や実施されるプログラムがどれも教育・研究内容と深く関わっていて、楽しみながら東京外大を理解できます。

「外語祭」の主要な催しは二つ。一つは「語劇」といって、学生たちによる専攻語を使った劇。東京外大は26の言語を専攻できるので、英語や中国語といった比較的ポピュラーな言葉だけでなく、チャコ語やペルシア語など今まで聞いたことのないような言語による劇も披露されます。

私はウルドゥー語による『パコと魔法の絵本』を観たのですが、ウルドゥー語による台詞回しは流暢でしたし、演技も舞台セットもかなり本格的でした。
私自身、ウルドゥー語について、どこの国の言葉だっけかな……と、そこからわかっていないレベルなのですが、舞台の両袖に大きな日本語訳の字幕が出るため、洋画を観る感覚で楽しめました。

もう一つの主要な催しは「専攻語料理店」です。うん、これが、とくに良かった。
「専攻語料理店」とは、大学1年生による、専攻する言語圏の料理を提供する屋台です。
円形広場というメイン会場の外縁に沿って、ぐるっと異国情緒あふれる「専攻語料理店」が並ぶのですが、その様子は見ているだけでテンションがあがります。さらに、会場のあちこちから嗅いだことのないスパイスの香りがし、広場中央の野外ステージではエスニックな音楽と踊りがひっきりなしに上演されます。
さらにさらに「専攻語料理店」は、料理だけでなく、世界各国のアルコールも売っているんですね。美味しい料理に音楽、そして酒。この活気、この陽気さ、まさに祭りです。

「外語祭」は、このように盛り上がっている一方、キャンパスの芝生部分にビニールシートを引いてくつろぐ家族連れも多く、場所によってはとてもまったりとした空気が流れていました。

学園祭というと、お笑い芸人やアーティストのライブなどがあり、来場者の中心は若い人になりがちです。しかし「外語祭」の場合、来場者の年齢層はかなり広かったです。
東京外大の教育内容に裏打ちされたイベントのため、大人も十分に楽しめるのでしょう。懐の深い学園祭、そんな印象を受けました。


大学を取り巻く状況が今後ますます厳しくなることを考えると、大学は地域社会とのつながりをさらに強めることが必要になっていきます。
そのためのアプローチとして、「外語祭」のように教育や研究の成果を、エンターテイメント性を持ってアウトプットするのは、とても有効なように思います。
学園祭以外にも、理科教室や研究施設公開、フィールドワークなどの体験型の公開講座など、教育や研究の成果を“面白く伝える方法”はいくらでもあるはずです。
今後こういった動きが増えて、大学も地域もより豊かになっていけばいいなと、勝手ながら思っています。


最後、若干話が逸れた気もしないではないですが、これにて『年齢不問!サービス満点!!1000%大学活用術』の紹介を終わらせていただきます。
読み返してみると、ほとんど書籍紹介になってませんね……。
でも、まぁ、いいんです。
本書には、他にも相当数の大学の一般向けの取り組みを取材した記事が載っていますので、興味のある方はぜひぜひご覧ください。では!!


パッと見から異国の雰囲気がすごい「専攻語料理店」

屋台でホットワインを購入、ものすごく美味かった

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