MOOCが注目されるようになって以降、オープンエデュケーションが活性化してきているのか、それともただ私がこの分野に興味を持ちはじめたからか、最近よくこの種の取り組みを目にします。
今回、見つけたのは早稲田大学の「WASEDA COURSE CHANNEL」。これは、早稲田大学がこれまで授業の教材を公開していた「早稲田大学OpenCourseWare」と、授業動画を公開していた「早稲田大学 iTunes U」を集約してつくった新しいサイトです。
以下、早稲田大学HPより。
1000本の講義映像を配信予定授業内容公開サイト『WASEDA COURSE CHANNEL』をリリース
早稲田大学は、ICT (Information and Communication Technology)を利用して広く国内外に本学講義を公開し、「教育の早稲田」を可視化するためのwebサイト「WASEDA COURSE CHANNEL」をリリースしました。(後略)
実際にサイトをのぞいてみると、まだできてすぐということもありコンテンツ数は少ないものの、使いやすそうなサイトでした。
特に目を引いたのが、フリーワードや学科だけでなく、英語、ドイツ語、フランス語など、コンテンツに使われている言語で検索をかけられることです。
早稲田のHPに「世界への発信を通じて国内外の大学・高校との交流を深めることで、グローバルでの本学のステイタスを高める」とあるので、海外へのアピールを視野に入れてのことなのでしょう。ただ、そうであるなら、サイトそのものも英語版やその他の言語版をつくった方がいいように思うのですが、どうなんでしょうか。もしかしたら、今後そういう取り組みが生まれてくるかもですね。
今回の「WASEDA COURSE CHANNEL」もそうですが、大学の授業公開に関わる取り組みは、ほんどの場合、幅広い層をターゲットにしています。でも、個人的にはやっぱり受験生に一番利用してもらいたいなぁと思います。
というのも、私は仕事で大学のパンフレットをつくっており、その中で授業紹介の文章を書くことがとてがよくあります。でも、こういった授業紹介の多くはシラバスをもとにまとめるので、授業の概要は伝えられても、授業の魅力についてはほとんど触れることができないんですね。
また時おり、受講した学生や担当教員の声をもとに授業紹介を書くこともあります。この場合、授業の魅力を多少は伝えられるのですが、いかんせん手間がかかるため、ごく一部の人気授業でしかされません。
つまり、大学パンフレットは、授業の魅力をあまり伝えられていないのです。しかし当然ですが、受験生たちにとって“この大学で何を学べるか”はとても大きな関心ごとです。
こういった入試広報と受験生のジレンマを解消するために「WASEDA COURSE CHANNEL」のような取り組みは、大いに意味があるように感じます。そして、高校生のときから授業(≒学問)の魅力に少しでも触れていると、学生たちの入学時のモチベーションも、学ぶ意欲も自ずと増してくるのではないかと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿