大学博物館は、大学の魅力の結晶だ!と、このブログでも以前から何度ともなく書いていました(あれとか、これとか、こんな記事で)。とはいえ、大学博物館は、研究資料をたくさんもつ大学や、資産のある大学に限られた贅沢な施設という側面がないこともありません。
そんな大学博物館を、やりようによっては持っていない大学でも一時的にオープンさせることができる。まったく何を言っているかわからない感じですが、北海道科学大学がそんなことをやってのけました。これは、けっこう斬新な取り組みです!
北海道150年事業「北海道科学大学博物館~北科大で自由研究~」初開催!
北海道科学大学(北海道150年事業パートナー)は2018年7月27日(金)~8月10日(金)の期間、「北海道科学大学博物館~北科大で自由研究~」を開催いたします。本学として初の試みで、北海道博物館の協力を得て、北海道の歴史を物語る貴重な資料約60点を大学構内に展示します。広く一般市民の皆様が気軽に訪れることができる、期間限定の大学内博物館です。
美術館や博物館が企画展で他の館にある展示品を借りるというのはよくあることです。しかし、今回は、博物館が、ではなく、大学が。しかも、大学博物館を持っていない大学が資料を借り受けして、学内に展示するという試みです。展示を専門にした施設がなくても、こういうことってできるんですね。
シンポジウムなどで学外から人を呼んでイベントを開催することもありますが、基本、大学が学外向けにイベントを開催するとき、学内のリソースを使います。当たり前といえば、当たり前です。イベントを開催するのはある意味、自分たちの大学のアピールなのですから、持っているものを出さないと意味がありません。
一方、各大学が持っているものなんて、ころころと変わるわけではないので、どうしてもやれることがマンネリ化していきます。まぁマンネリであっても繰り返しやることで、大学の個性を社会に浸透させられるという考えもあるのかもしれません。でも、そんな大学ばかりだと、受け手である学外の人たちは退屈ですよね。
今回、北海道科学大は、あえて学内のリソースにこだわらず、北海道博物館から展示品を借りて期間限定の大学博物館を開催しました。こういう柔軟な発想のイベントは、大学発イベントの見え方を変えてくれそうで、とてもワクワクします。それに、大学のリソースではなく、コラボ先のリソースでイベントを組み立てると、できることの幅がグンと広がるように思います。
大学関係者のなかには、なぜ、こちらが汗水流し、場所を提供して、他の施設のアピールをせにゃならんのだと思う人がいるかもしれません。しかし、このテーマで、こことコラボして、学内でイベントをしようと考え実現させること自体、かなりユニークなわけで、その事実一つをとっても十分な社会へのメッセージになります。それに、伝えたいメッセージの内容によっては、単独で何かをやるより、どこかとコラボした方がより強く印象的に伝わることだってあるはずです。
大学と何かしらのコラボというのは、頻繁とまではいかないものの、時折、目にすることがあります。でも、博物館を持っていない北海道科学大が、よその博物館から展示物を借りて学内を博物館にしてしまうという突拍子のない企画を見て、思った以上にコラボには可能性があるんじゃないかと思いました。天文台がなくても天体観測ができるかもしれないし、グラウンドがなくてもサッカーの試合ができるかもしれません。奇想天外なコラボイベント、ぜひ増えて欲しいです。
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