2014/04/01

【ほとゼロ コラム】大学博物館の魅力


大学に興味があるけど、何から利用するのがいいのかわからない!なんていう人がいたら、まずおすすめしたいのが大学博物館です。

この施設は、学外の人の利用が盛んで、常設展示に限っては無料なところも多くあります(特別展は有料)。しかも配属されている職員の方は、日ごろから学外の人たちと接しているため、対応が丁寧でスムーズなところが非常に多い。大学、特に国公立大学については、お役所的なイメージをもつ人がいるかもしれませんが、私がこれまでに行った大学博物館については、どれもとてもフレンドリーでした。 

実は、この大学博物館、一般の博物館とは少し違う点があるのをご存じですか?

一般の博物館は展示することを目的に資料を購入しますが、大学の場合、一部例外はあるもののそうではないのです。大学博物館に展示されているものは、研究者(教員)たちが研究をするために集めた資料になり、展示を第一目的にしていないのです。

だとすると、一般の博物館に比べて、大学博物館の展示内容は劣るのでしょうか? いえいえ、そんなことはありません。
大学によっては、ここにしかない貴重な資料を所蔵しているところもあるし、研究資料だからこそ伝えられる魅力だってあります。

以前、東大の「東京大学総合研究博物館」に訪れたとき、取材に応じてくれた教員が「論文や特許ではない、もう一つの研究発表の場」と博物館展示を表現しました。

東大の場合、研究者が自分の研究で扱った資料を使い特別展をプロデュースするため、その傾向がかなり強いのですが、程度の差こそあれ、これは多くの大学博物館に言えることだと思います。つまり、資料をただ展示するのではなく、資料を通じて研究の成果や足跡を伝えることこそが、一般の博物館にはない大学博物館ならではの魅力なのです。

少しこむずかしくなってきましたが、大学博物館はさまざまな資料とともに、“研究”という大学らしい一面を気軽かつビビットに感じられる施設なわけです。大学を利用する最初の一歩として、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

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