2018/09/02

大学のブランド価値は「大学」から「大学+学部」へ。下位私立大学は看板学部で活路をひらけ!


私立大学の上位校が学部を増やしていくことで、下位大学の志望者がどんどんと吸収されていっています。これは以前から、問題視されていたことですが、改善どころかその傾向はますます強まっているようです。このままいくと大学の捉え方自体が、変わっていくんじゃないかという気がします。

以下、リセマムより。


私大志願者の約6割、志願者数上位30大学が占有 
私立大学の2018年一般入試において、志願者数上位30大学を志願する受験生が全体の56.2%を占めることが、旺文社の調査結果より明らかになった。また、首都圏の大学の合計志願者数は全体の60%を占める。(後略)

今後さらに受験生が減っていくわけで、上位30大学を志望する受験生の比率はさらに高まっていくでしょう。今の6割という数字でも十分驚異的ですが、これが7割、8割とあがっていけば、大学という枠組みへのブランド価値はだんだん下がっていくはずです。だって大部分の学生が、国立ないしトップ30の大学に入学しているわけですから。

こうなっていくと、大学ではなく、大学+学部でブランド価値(=偏差値)を見る傾向が強まっていくように思います。今でも医学部が顕著ですが、他にも、早稲田大の政治経済学部、中央大の法学部、立教大の経営学部など、有名大学には看板学部というものがあります。これら看板学部は、その大学に与えられている評価より、さらに上に見られています。

今後、大学名と学部名をセットで見るのが普通になり、同じ大学でも学部名によって評価が大きく変わるようになる……。これって、実はけっこういいことのように思うのです。学部という視点が社会に浸透すると、トップ30に入っていない私大でも、ひとつイケている学部を持っていたら、そこについては勝負をかけられるようになるからです。そして、こういった“弱小校のエース”が増えていくと、巨大な総合大学に牛耳られつつある大学教育に多様性が生まれてきます。下位の私立大学はもちろん、受験生にとっても、日本全体にとっても、ありがたいことです。

私大のトップ大学がシェアを拡大するというのは、避けられない事実です。では、このフィールドでどう生き残るかを考えたとき、大学全体を変革するのが一番いいのでしょうが、これには費用も時間も莫大にかかるうえ、変化もゆるやかです。2018年に入った今からはじめても、間に合わない可能性もあります。でも、学部であれば、はるかに少ない費用、時間で改革ができるし、思い切ったこともやりやすいはずです。上述したように、これからは学部視点で大学を見る傾向が強まっていくのなら、まずは私大上位に食い込める学部を一つつくることに全力を注いでみる。下位大学が生き残る戦略として、これはけっこうアリだと思うのですが、いかがでしょうか?

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