2014/02/23

より広い視野で、子ども向けイベントを(千葉商科大)

大学の子ども向けのイベントと言えば、まず思いつくのは理科教室や科学教室ではないでしょうか。

1900年代後半から徐々に増えてきたこれらイベントが、現在のリケジョブームや、受験生たちの「文低理高」傾向の学部学科選びに、少なからず影響を与えているようにも思います。しかし、これら子ども向けのイベントは、別に理系でなくてもいいわけだし、より大きな視点で考えるなら、必ずしも学問でなくてもいいわけです。

千葉商科大学が、そんな大きな視点を感じさせる子ども向けのユニークなイベントを開催するので、ご紹介します。

以下、大学プレスセンターより。


千葉商科大学で職業体験――38日・9日に「キッズビジネスタウンいちかわ」を開催 
千葉商科大学(千葉県市川市:学長 島田晴雄)では、38() 9()に「第12回キッズビジネスタウンいちかわ」を開催する。この催しは、「子どもたちがつくる、子どもたちの街」という趣旨のもと、小学6年生以下の児童・幼児が同大キャンパスの中に創られたキッズビジネスタウンの市民となり、職業を疑似体験する教育的行事。(後略)


上記、イベントの詳細が、千葉商科大のウェブサイト内にある「キッズビジネスタウンいちかわ」の特設ページに掲載されていました。

サイトによると、子どもたちはキッズビジネスタウンの市民となり、ハローワークで仕事を探して働き、リバーというお金を稼いで、リバーで好きなものを買うことができるようです。社会の基本となる仕組みを体験から学べる、簡単にいうと大学版キッザニアといった感じです。

理系の学びは実験などを通して、具体的に学びの魅力やダイナミズムを伝えられますが、文系の学びは、なかなかそれができません。ちなみに、千葉商科大の学部学科構成を見てみると、経済・経営系を中心に、社会系、情報系、人文系などが学べるようで、まさに“ザ”文系大学です。

今回のキッズビジネスタウンいちかわは、経済学や経営学といった学問の魅力を直接伝えるのではなくて、これら学問の研究対象である、経済活動を感じてもらう内容になっています。学問そのものにあえて焦点を当てないというのは、発想としてとてもユニークです。

大学の子ども向けイベントは、自ずと大学が持つ知的資源を活用したものになります。でも、単に研究内容や教育内容を子ども向けにカスタマイズするだけでは、上手に魅力が伝わらないことが多々出てくるのではないでしょうか。

千葉商科大のように研究・教育の対象に着目したり、研究・教育により生じる社会の変化や、学ぶことで就ける仕事に目を向けるなど、視点を変えていくと、イベントの幅が格段に広がり、さらに面白いものが生まれてくるように思います。

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