こんにちわ。こんばんわ。
この本は、団塊の世代の退職がはじまる2007年に企画を立ち上げ、およそ2年半をかけてまとめました。
企画を思いついたのは、ひさびさに実家に帰ったときに早期退職をした父親がひまを持てあましていたのを見たのがきっかけです。
当時、父親は60歳だったのですが、けっこう元気だったんですね。それで、せっかくだから何かをはじめたらいいのにと思い、何かをはじめるには準備が必要なのではないか、そのための場として大学はどうなのだろう、などと考えるようになり、そこから企画が生まれたのでした。
『定年進学のすすめ』は二部構成になっています。第一部は、定年後もしくは定年後を見越して、大学に進学した方々のロングインタビューと、定年後どういう風に大学を活用できるかをまとめたコラムを掲載。続く第二部では、社会人進学に必要な情報を整理して紹介しています。
この本をつくって何より良かったのは、さまざまな社会人学生の方々からじっくりと話が聞けたことです。
人はこんなにもいきいきと、また楽しく学ぶことができるのかと感動しました。取材に協力してくれた方々は、みんな、自ら進学の道を選び、自ら学費を払って、学生になった人たちです。やらされている勉強ではなく、本当にやりたいことを学んでいます。話を聞いていると、それがすごく伝わってきました。
取材の中で、特に印象的だったフレーズをいくつか紹介します。
K・Sさん(68歳/男性)
「この歳になって、やりたいことをやるためにもう一度大学に行くようになって。学ぶことの楽しさや喜びを掛け値なしに感じられるようになりました」
H・Iさん(67歳/男性)
「この年齢になっても、新しい環境に身を置き、いろんなことを経験すれば成長できるんだ。大学生活を通して、それを実感しました」
I・Mさん(60歳/女性)
「勉強していると、すぐ気になること、知りたいことが出てきて、また勉強したくなるわけです。山を越えると、その先にまた違う山が見えてくる。それと同じですね」
W・Iさん(82歳/男性)
各インタビューの全文を読むと、これらフレーズと社会人学生の方々がこれまで歩んできた人生とが重なり、より深みが出てきます。中でもW・Iさんは、大学卒業後も科目履修生として授業を受け続け、単科大学ではあるものの自身が在籍している大学の科目をほとんど履修してしまった猛者で、その向学心や勉強に対する姿勢は大いに刺激を受けました。
他にもいろんな方のインタビューが掲載されており、個人的にグッときたフレーズもまだまだあるのですが、今回はここらへんにしておきます。
興味のある方は、ぜひぜひご一読ください!!
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