2014/04/01

卒業生たちの“恩返し”から伝わるもの(大阪樟蔭)


関西を代表する作家のひとり、田辺聖子さんの名前をかんした文学賞「田辺聖子文学館ジュニア文学賞」の第6回の入賞者が決まり、作品賞の配布(有料)がはじまりました(詳細はコチラ)。

この賞は小説家、田辺聖子さんの母校である大阪樟蔭女子大学にある「田辺聖子文学館」が主催しており、対象は中学生と高校生のみ。それにも関わらず、第6回の応募総数はなんと26,137作品にのぼりました。

選考に田辺聖子さん本人をはじめ、芥川賞作家・小川洋子さんや、直木賞作家・林真理子さんが関わるなど、非常に豪華なため、もしかしたらこれが関係しているのかもしれませんね。

この賞で目に留まったのは、規模や選考者の顔ぶれもさることながら、田辺聖子さん本人が選考に直接関わっていることです。
というのも、田辺さん、今年で御年86歳!かなりのご高齢にもかかわらず、選考はもちろん、表彰式にも参加したようです。

卒業してから半世紀以上がたった今でも、これだけ積極的にかかわっているのは、大学との良好な関係があるからなわけで、これって大学にとっても、田辺さんにとってもすごい財産ですよね。

最近、映画監督の是枝裕和さんが早稲田大学の教授に就任したり、つんく♂さんが近畿大学の入学式をプロデュースしたりと、クリエイターが母校と関わる話題が続いています。田辺聖子さんの文学賞はまさにこれの最たるものです。

学生時代はわからなくても、卒業してみると大学の良さが身にしみてわかることは多々あるわけで、それが成功している人で、なおかつ感性豊かなクリエイターたちとなると、かなりの説得力があります。

大学広報にかかわっていると、教育内容や研究実績は具体的にアピールできるものの、大学生活そのものの魅力となると、なかなか実証する手だてがなく、楽しげな雰囲気でお茶をにごすことがよくあります。

そんな中、クリエイターたちの“恩返し”は、学生生活の豊かさを伝える、とてもよい“実績”になるのではないか、そんな気がしました。

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