2015/03/29

保護者がオープンキャンパスに期待すること


春のオープンキャンパスが、先週、今週の土日に開催する大学が多くあったようです。このオープンキャンパスは、受験生にとって大学を知るために役立つだけでなく、新・高校3年生が気分を受験モードに切り替えるきっかけにもなるので、とても有意義な取り組みなように思います。

さて、オープンキャンパスですが、最近では保護者同伴で参加する受験生がかなり増えてきました。一体どのくらいの受験生が保護者ときているのでしょうか。全国大学生活協同組合連合会が調査をしたようです。

以下、リセマムより。


オープンキャンパス、15%が母親同行…授業内容や就職実績に関心 
全国大学生活協同組合連合会が実施した「2014年度保護者に聞く新入生調査」によると、オープンキャンパスに参加した母親は「大学の所在地」「授業・研究内容」「就職実績」への関心が高いことがわかった。(後略)


調査によると、進学した大学のオープンキャンパスに参加した高校生が45.3%。そのうち、14.8%が母親同伴で参加したとあります。私がオープンキャンパスを取材・撮影している感覚だと、もう少し多いような印象がありましたが、それでも約15%というのは無視できない数字です。

以前、大学職員の方と話していて、保護者が増えてきているので、保護者のみを対象にしたプログラムをオープンキャンパスに組み入れたが、あまり人が来なかったという話を聞いたことがあります。そして、そのときの敗因(?)は、受験生と保護者は一緒に動きたがり、別々になるプログラムはあまり好まれないからではないか、とのことでした。

これは一例に過ぎないのですが、保護者単体のイベントやプログラムというのは、なかなか人気がでないように感じています。というのも、保護者がオープンキャンパスに参加する一番の理由は、大学を知ることではないと私は思うからです。

思春期の高校生にとって、進路というのはかなりナイーブな話です。保護者から切り出しにくい話だし、どこまで口を出していいのかもわからない話です。オープンキャンパスは、こういった話を自然とできる貴重な場なのではないかと思うのです。だからこそ、保護者と受験生とが別々で行動するなんてもってのほか、それよりも同じ情報を共有して、それについて語り合うことのほうがはるかに大事なのではないかと思います。

こういったふうに考えるようになったのは、ある予備校の仕事をしばらくしていたときに、進路について親子で話すことがいかに大切かを何度もパンフレット等で啓発したからです。何度も言うということは、裏を返せばそれがなかなかできないということ。実際、自分自身、受験生の視点に立った場合、たいしたことに感じないのですが、親の視点から考えると、なかなか切り出しにくいだろうなぁ……と思います。

おそらく、子どもと話すきっかけにオープンキャンパスを利用する親はけっこういます。大学側としては、できるだけ多くの情報を、という視点になりがちですが、少し視点を変えて、親と子が進路について語り合う場としてオープンキャンパスをとらえることも大切なのかもしれません。とくに芸術系大学など、親と子の意見に相違がでそうな大学だと、なおのこと大切にしなくていけないような気がします。

0 件のコメント:

コメントを投稿