2013/12/08

大学発のクエ鍋セット(近大)

近畿大学の養殖魚を扱う居酒屋「近畿大学水産研究所」の2号店が銀座にでき、連日、テレビや新聞で報道されています。忘年会シーズンということもあってなのか、人気がすさまじく、予約がぜんぜんとれない状態だそうです。


今回、この「近畿大学水産研究所」の魅力を、自宅にいながら味わってみようと「近大クエ鍋セット」をお取り寄せしてみました。
「近大クエ鍋セット」は、近大の養殖魚の販売を取りまとめる近大発ベンチャー企業、アーマリン近大が11月から2月までの期間限定で販売しています。
お値段は税込み、発送料込み(一部地域除く)で一万円と少々値が張りますが、“幻の魚”と言われる高級魚なんですから、これぐらいは仕方ないことでしょう。


以前、近大の水産研究所(こちらは居酒屋ではなく、研究所の方)を取材したときに、研究所のある和歌山県白浜町で養殖すると、出荷可能な3キロ以上のサイズになるのに5〜6年かかり、これじゃとても採算がとれない。そのため、稚魚を奄美大島にまで運んで育てるのだと聞きました。白浜だと冬場、クエはあまり成長しないのですが、奄美大島の温暖な気候だと、冬場でもクエが成長するため、およそ3年ほどで出荷サイズまで育てられるのだそうです。

……とまぁ、そんな感じに、養殖魚ながら長い旅をしてきた近大クエですが、肝心のお味はというと、これがやはりかなりの美味。身は淡白ながら弾力があり、まったくといっていいほど生臭さがありません。そして、これぞクエの魅力……というほど、クエを食べ慣れてはいないのですが、本当にいいダシがでます。深みがあり、濃く、フグのような繊細な味とはまた違う、力強さがあります。おかげで、豆腐もネギも白菜も、締めの雑炊も、どれもこれもとても美味しくいただけました。
また、鍋セットについていた近大特製ポン酢も◎。このポン酢は、ダシが効いていて、ほんのり甘みがあり、ひとなめするだけで、あっ、これは高級やわ、と感じるお味です。トゲトゲしさがなく、クエの邪魔をせず、鍋の味を引き立ててくれていました。

近大の養殖魚というと、近大マグロが有名ですが、近大クエもそれに負けない魅力的な商品です。近畿大学水産研究所(こっちは居酒屋の方)に興味はあるけど、混んでそうでちょっとなぁ……なんていう人には、気軽に自宅で楽しめるので、なかなかおすすめです。量も1セットで4〜5人前とありますが、うちは大人7名+子供2名で食べてけっこう満足できました。

また、この近大クエのライバル(?)に岡山理科大学の「理大クエ」というのがあります。こちらは2010年からの養殖スタートで、1988年から養殖をはじめている近大クエに比べると歴史はまだ浅いものの、積極的に売り出しはじめており、今後の動向が気になる商品です。
何はともあれ、大学同士が切磋琢磨し、美味しい商品をお茶の間に届けてくれるのは喜ばしいこと。大学に関わる仕事をしている身として、勝手ながら応援しています。
がんばれ近大クエ!負けるな理大クエ!


近大クエ鍋セット
近大マグロと同じように、近大クエにも卒業証書がつく
近大クエ鍋。ダシがうまい、とにかくうまい
レンガ造りでモダンな雰囲気がする、近大水産研究所


近大水産研究所を取材したときに撮影した近大クエ



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