2017/02/25

ウェブではじめる大学の新たな地域貢献(東大)


MOOCsを筆頭に、大学のウェブサイトを使ったオープン・エデュケーションの取り組みは、近年かなり広がってきました。今回、見つけた東大のウェブサイトも、そんな中のひとつ。かなりマニアックではありますが、ちょっと面白そうなサイトです。

以下、リセマムより。

東大、研究者向け無料オンライン講座「English Academia」開講 
東京大学の大学総合教育研究センターは、無料で学べる研究者向けの英語オンライン講座「English Academia」の開講を発表した。(後略)
English Academia(https://utokyo-ea.com


研究者向けの英語学習サイトというのは、かなりニッチに感じるけれど、東大にとってはそうでもないのかもしれませんね。サイトをのぞいてみるとかなりポップで楽しげ。メインターゲットは大学院生のようですが、誰でも使えるようです。

ほとんど0円大学の運営に関わるようになってひしひしと感じるのですが、社会人って普通に生活しているだけでは、大学との接点ってほとんどないんですよね。だから、大学を使おうと訴えかけても、そもそもそういう発想がないから、いまいちピンとこない。ましてや忙しい時間をぬって、わざわざ大学に足を運ぶというのは、けっこうハードルが高いわけです。

こういった状況のなかで、大学と接点を持つファーストステップに、ウェブサイトを使うのは、かなり現実的です。さらにいうと“大学=面白い”というのは、大学と係わり合いのない人にはイメージしにくいため、“大学=勉強=役立つ”というイメージに訴えかけるサイトがベターなように思います。

今回の「English Academia」は、まさにこの役立つサイトなわけで、大学院生の語学力向上だけでなく、一般の人が東大(そして大学全般)と接点をもつきっかけにもなりそうです。

また視点を変えれば、大学の地域貢献というと、シンポジウムや公開講座、理科教室といった、イベント系のものが多く、ウェブサイトを利用したものはあまり目につきません。しかし、イベント系は参加者が固定化しがちなので、新しい人を取り込むなら、イベントとは違うチャネルで地域や社会との接点をつくるのがいい。そう考えるとウェブでの地域貢献は、それなりに意味があるのではないでしょうか。

大学の学びをコンテンツに落とし込むのは、けっこうな手間ひまとお金がかかります。だからこそ、大学の地域貢献での新たな層の開拓、それにプラスして自校の学生への学習支援という二つの意味合いで、サイトづくりをしていくのがいいように思います。関係部署をまたぐため、やりとりにややこしさはあるかもしれません。でも、費用対効果を考えるなら、こっちの方が通りやすいはずです。大学の新たな地域貢献のかたちとして、今後こういうサイトが増えていけばいいなと、勝手に、すごく、思います。

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