2018/09/23

マスコミ視点で考える、重宝したい研究者と研究活動(関西大)


研究者のメディアへの取り上げられる方として、最も華々しいのは社会にインパクトを与える新たな研究成果を発表したことによって、というものでしょう。でも、新たな研究を発表しなくても、特定の分野の専門家である研究者は、メディアにとって大切な存在です。とくに、かゆいところに手が届くというか、マスコミが表現したいこととマッチする研究をされている方は、だいぶ重宝されているように思います。

以下、大学プレスセンターより。


◆ 宮本勝浩 関西大学名誉教授が推定 ◆「2018年広島東洋カープ優勝」の経済効果 ~広島県内で約459億3,421万円、日本一なら 約465億8,966万円 ~ 
このたび関西大学 宮本勝浩名誉教授が、プロ野球のセ・リーグで3年連続の優勝を目前にしている広島東洋カープの2018年シーズン優勝における経済効果を計算した結果、地元・広島県で昨年を約60億上回る約459億3,421万円となりました。さらに、日本シリーズに進出し、日本一になった場合の経済効果は、約465億8,966万円と算出しました。(後略)


今回の関西大学のプレスリリースで取り上げられている宮本勝浩名誉教授は、まさにマスコミとの相性がばっちりな先生です。私も「ほとんど0円大学」という、なんちゃってメディアをやっているのでよくわかるのですが、何かのすごさを表現するときに数字というのは、非常に便利なんですね。ナンバーワンであるとか、何億円であるとか、東京ドーム何個分とか。宮本名誉教授の研究を使えば、経済効果という視点で、このすごさを数字で表現できるわけです。これってかなりありがたいことです。

さらに言ってしまうと、マスコミ、とくに報道系はとにかく時間がない。このことはこの人に聞くという図式ができてしまうと、そこに人が集まってきます。口汚く言ってしまえば、欲しいのは数字であって、もらえるなら誰でもいいのです。なら毎回、新しく人を探す必要はなくて、信頼できる人に聞くのが一番です。

また、ここで重要なのは、マスコミウケする数字を算出できるかどうかであって、研究としての新しさではないんですね。プレスリリースでも2005年の「阪神優勝の経済効果」から宮本先生の実績が載っており、ここから数えても何と13年間も同じアプローチで情報発信し、メディアを賑わせているわけです。

これが研究広報の本分かというと、また違うのかもしれません。でも、研究者が自身の研究をもとに、社会の注目が集まる情報を発信するというのは、研究を社会に知らしめるよいきっかけになるのは間違いありません。

最新の研究にこだわらず、研究者たちの研究からマスコミが使いやすい数字を算出できる研究を集めてピックアップする。もしできるなら、それを今日的なニュースに当てはめて表現して発信していったら、けっこう食いつくメディアは出てくるんじゃないでしょうか。少なくとも、ぼくはそのページにブックマークしておきます。

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