2014/08/02

大学から受験生へのラブレター(東大・京大)


入試広報の最重要ツールといえば、何だかんだいってもやっぱり「学校案内」。これはいわば大学についての説明がいっさいがっさい詰め込まれた総合カタログです。

学校案内を読むと多少デコレーションはされているものの、各大学の魅力であったり、どんなことに力を入れているのかであったり、大学の特色・特徴が一目瞭然でわかります。

以前は私立大学を中心につくられていましたが、国立大学が法人化したころから国公立でもつくるようになってきました。今では東京大学も京都大学でもつくっており、おそらくほぼすべての大学が学校案内をつくっているのではないかと思われます。

今回、東大と京大の学校案内を見比べてみたら、どんな違いがあるのかとふと気になったので、簡単に見比べてみました。ちなみに東大も京大も学校案内を資料請求で取り寄せるとお金がかかるので、ウェブにあるデジタルパンフとPDFで見比べています。横着してスミマセン。。

  
東京大学案内
72頁/4色/無線綴じ

京都大学案内『知と自由への誘い』
120頁/4色/無線綴じ


見てみると、一般的な私立大学の大学案内に比べてどちらも文字が多い。京大はビジュアルを大きく扱っているのですが、それでも一般的な私立の大学案内に比べるとかなり文字が多いです。さすがはトップ大学というか、中身が詰まっていることがパッと見で伝わってきます。

……で、さらにパラパラと見比べていくとページ数がけっこう違うんですね。東大は京大のおよそ半分強のページ数です。

東大の大学案内は、誌面のほとんどが教学内容で、必要な情報のみを淡々と伝えるつくりでした。一方、京大は巻頭部分に「京都大学人物伝」という京大出身の著名人のロングインタビューからなる特集があったり、「Student Voices」というコーナーがあったり、企画性のある誌面が随所に盛り込まれていました。それに京大の学校案内には『知と自由への誘い』というタイトルがあるんですね。「知」だけじゃなくて「自由」が入っているところが、いかにも京大っぽいです。

走り読みした感想としては、少しうがった見方なんですが、東大は学生に対する大学の役割は勉強を教えることだと捉えていて、京大は勉強だけでなく、クラブ活動や人間関係の構築など、トータルで関わろうとしている、そんな印象を受けました。

でも実際、経営的な視点から言えば、東大も京大も放っておいても志願者が集まるわけで、学校案内をつくってアピールする必要なんてないんですよね。じゃあ、大学案内が必要ないのかというと、それはそうでないと思います。

大学案内は極論でいうと、大学から受験生に向けたラブレターです。そして、いくらイケメン、美女であっても、好きなタイプやつきあいたい人はいる……というよりイケメン、美女は“誰でもいい”とは思わないため、パートナーを選ぶハードルがよりいっそう高くなるように思います。

大学も同じです。東大や京大は、大学業界の一、二のイケメンor美女。進学をするのにどこよりも高いハードルをかまえるなら、どういう人が欲しいか、そのために自分たちが何を提供できるかを、どこよりもしっかりと伝えるべきじゃないかと思うのです。少なくとも私は選り好みするくせに自分からは出会いを求めず、ぜんぜんいい子がいないのよね、なんていう人はちょっと嫌だなぁと思います。まぁ、そもそもそんなことを言う人は、いくら顔が良くてもイケメンでも、美女でもないですけどね!

……なんかちょっと話がずれてきました。結局、言いたいのは、東大より京大の大学案内が、私個人としては好感が持てました。そして、東大も京大も進学するためのハードルがめちゃくちゃ高いんだから、受験者に対する情報提供をもっともっと積極的にやってもいいんじゃないかと思いました。おうおうにして入試広報は受験生獲得に焦点をしぼって語られがちですが、入試広報をする意味って本当はそれだけじゃないと思うんです。  

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