2014/11/23

企業だからできる受験生応援


受験シーズンになると、よくもまぁ、これだけこじつけたなと感心するような受験生応援お菓子がスーパーに並びます。なかでも、そのパイオニアともいうべきキットカットは、ダジャレ的にお菓子の名前をもじるだけでなく、いろいろと面白い取り組みをやっています。

今回は、このキットカットの取り組みを見て、思ったことを何となくまとめてみました。

まずなぜキットカットが受験生を応援するようになったのかですが、これはウェブを調べると、けっこういろいろと記事が出てきました。

要約すると、九州弁の「きっと勝つとぅ(きっと勝つよ!)」からきており、そもそもネスレが仕掛けたプロモーションではなく、受験生から自然発生的に生まれたネタのようです。そして、ネスレが受験生応援キャンペーンをはじめたのは2003年。長いことやっている印象はありましたが、10年以上とはいやはや驚きです。

今年は「キットカット受験生応援キャンペーン2015」として、およそ20校の大学とパートナーシップを結んで「サクラサク プレキャンパス」というキャンペーンサイトを運営したり、「ネスレ キットカットミニ 紅白パック」のお菓子の小袋に大学のPRを入れたりしています。

これらキャンペーンを見てみると華やかで面白く、広告的な要素は多分にあるものの、それでもコンセプトは受験生を応援することだということが伝わってきます。

たとえば、「サクラサク プレキャンパス」なら、歌手のMay J.さんがオリジナルの応援歌をつくって12月に公開。「ネスレ キットカットミニ 紅白パック」だと、キットカットそのものに応援メッセージが刻印されており、菓子袋にもメッセージが書ける欄が設けられています。

この受験生を応援する、というコンセプトは大学広報でもよく見られます。その代表格が、受験生向けの応援サイトです。しかし、これらサイトは受験生を応援するとうたってはいるものの、実際の中身は入試情報と大学情報です。これってつまり、受験生の役に立つ情報ではなく、大学が伝えたい情報なんですよね。だから、どうしても応援している感があまり感じられません。

キットカットの場合、これらサイトと違って、極論をいうと受験生がどの大学を受けようと別にどうでもよく、それより“キットカットが受験生を応援している”ことを伝えることに意味があります。だから広告っぽさはあるものの、応援している感はよく出ているし、大学が運営する応援サイトにそれはないものです。

こういった“受験生応援”は、大学にはなかなかできないことなので、企業が代わりにやることにとても好感がもてます(たとえプロモーションの一環であっても)。ただせっかく応援するならもっと受験生に役立つ情報……たとえば、脳科学を専門にする教授が暗記方法をレクチャーしたり、栄養学を教える教授が試験当日の朝食メニューを提案したり、そんなコンテンツが増えれば、もっと面白くなるのになぁ、とか思ったりします。はい、好き勝手いってスミマセン。

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