2016/02/13

何が“卒業校”を“母校”へと変えるのか(早稲田大)


母校から定期的に送られてくる卒業生向けの情報誌。私の場合、仕事柄中身はチェックしますが、そこで告知されている卒業生向けイベントには、時間がとれずほぼ参加できていません。でも、中にはしっかりと参加してコミュニティをつくり、旧交をあたためたり、新たな人脈をつくったりする人もいるようです。

今回、見つけた早稲田大学の記事は、そんな早稲田ならではの卒業生コミュニティ「稲門会」に、新たな会が立ち上がる、という話。どうもこの会、かなりユニークなもののようです。

以下、リセマムより。


医学部のない早稲田大学、医療に携わる卒業生の「稲門医師会」設立 
早稲田大学の卒業生は「校友」と呼ばれ、校友による団体を「稲門会」という。医学部のない早稲田大学だが、卒業後に別の大学で学び直すなどして医療に携わる校友もおり、このたび「稲門医師会」を設立、1月31日に設立総会が開催された。(後略)

ほとんどの人は「母校」と言われると、最終学歴にあたる教育機関を思い浮かべるのではないでしょうか。しかし今回の場合、早稲田には医療系の学部がなく、別の学校で学び直したにも関わらず「稲門医師会」を設立したわけです。つまり、最終学歴は早稲田じゃないけれど、早稲田を母校だと感じている人がたくさんいて、その人たちが集まり、ついに会をつくってしまったわけです。

医療系の専門職は、各職種に求められる専門知識・スキルが何よりも重要視されます。そのため、早稲田で高い学費を払って得た知識が直接的に現在の仕事に役立っているところは、あまり多くはないはずです。それにも関わらず、卒業した今も早稲田が卒業生たちの心にしっかりと残っている。これは早稲田時代に築いた人間関係や、業界問わず働く上で大切な教養や人間性など、なんかもっと根本的なものを早稲田で手に入れ、磨くことができたからだし、それを仕事(または生きるうえ)実感しているからじゃないかと思います。それにやっぱり早稲田での学生生活が楽しかったんだろうなぁ、そんな気がします。

今の大学はキャリア教育全盛で、即戦力となるための知識・スキルの育成、仕事や就職に役立つ資格の取得などを強くアピールするところが非常に多くあります。けど、それだけじゃなくて、大学はこれから過ごす何十年もある人生をしっかりと歩いていくための“根っこ”を育てる場所なんですよね。今回の記事を読んで、改めてそれを感じました。

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