2016/02/20

学生を呼び込む、地域プロデュースの学び(東洋大)


ここ数年、地域を名前に冠した学部が急激に増えてきました。さらに昨年末、早稲田大学が2018年度より「地域貢献型人材発掘入試(仮称)」をはじめると発表。大学にとって地域が、また地域にとって大学が、切っても切り離せない存在になってきているのかな、という気がします。

今回、見つけた富山県魚津市と東洋大学の取り組みも、そんな関係性を感じさせるものの一つ。こういった取り組みは、今後もっと増えてくるんでしょうね。

以下、朝日新聞デジタルより。

「20歳の挑戦」の学生が経営者たちに報告会 
東洋大(東京)の学生を招いたインターンシップ合宿「20歳の挑戦」の報告会が1日、昨夏に受け入れた魚津市内で開かれた。 
大都市圏に住む学生に地元企業を知ってもらおうと、市が国の地方創生交付金を活用して昨年8月に合宿を実施。魚津商工会議所で受け入れた東洋大の経済学部生8人が、6泊7日で市内の企業や施設を調査した。この日は、街づくりに向けてまとめた課題や提言を、経営者ら約100人に発表した。(後略)

私が学生だったころは「地域=地元」で、就職先を都心か地元かで悩む人はいても、地域(地元以外)で働きたいという人はいませんでした。地域系の学部が増えている昨今、あえて地域で働きたいという人も出てきているのでしょう。

でも思うのですが、地域で働きたい気持ちがあっても、日本全国には無数の地域があるわけです。どこの地域で? となると、迷ってしまうように思います。だとすると、今回の魚津市のように、学生を自分たちの地域に呼び、地域を学びの場として開放する取り組みは、とてもいいきっかけづくりになるように思います。

それに企業の場合、就活をする学生に待遇や福利厚生など、具体的な強みを説明して入社を呼びかけることができます。でも、地域は組織ではないため、具体的な強みをアピールするのはどちらかというと苦手。それに強みを並べ出すと結局、都会の方がいいじゃないか、ということにもなりかねません。地域の場合それよりも実際に来てもらい、人に触れ、文化に触れ、土地に愛着をもってもらうことの方が、よっぽど効果的な気がします。

地域系の学部が増えることで、地域に目を向ける学生の数はますます増えていくことが予想されます。そういったなかで、優秀な学生を、自分たちの地域に住んで(働いて)もらおうと、自治体側でも積極的に動くようになるのかもしれません。将来は、企業が大学で寄付講座をやるように、地域が大学に寄付フィールドワークを提供することが一般化するなんていうこともあるかもしれませんね。

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